投票日前日まで、クリントン優勢の報道にもかかわらず、トランプが勝利。
トランプが大統領候補として台頭していた時点から、暴言のトランプ、失言のトランプ…etc. 日本をはじめアメリカでもマスメディアから連日の様にトランプに対してネガティブの報道がなされていました。 しかしながら、真逆の結果に!なぜアメリカ人はトランプを支持したのか?果たしてマスメディアはアメリカ合衆国の実像を捉えていたのか?
日本にとって、アメリカ大統領が誰になるのかは国益を大きく左右する重要事項。しかし、そもそも日本人はアメリカ合衆国の実像を知っているのでしょうか? 大きな勘違いアメリカ陰謀論などを正しながら、日米史を振り返る、絶賛発売中の『大間違いのアメリカ合衆国』。中でも半年近く前に執筆した、トランプ現象とは一体どういう現象なのか、気鋭の憲政史家・倉山満の分析を一部抜粋紹介いたします。

アメリカは全て一枚岩ではない!アメリカにも保守派がいることを知ろう!

 江崎道朗先生などは日本にたかるエセ保守ではなく、本物のアメリカの保守と連携しようと言っている数少ない評論家です。
  しかし、本物のアメリカの保守は、ハーバート・フーバー以来ずっと逼塞しています。

 当たり前のことですが、アメリカも一枚岩ではありません。チャイナからお金をたくさんもらっている親中派もいれば、アメリカの国益のために日本を大事にしようという人もいるわけです。

 ウィーク・ジャパン・ポリシー派とストロング・ジャパン・ポリシー派を別の言葉で言い換えると、ウィーク・ジャパン・ポリシー派のやっているのは勢力均衡戦略です。

 アジア太平洋はアメリカと中国のバランスを取っていって、現状維持を守ろうということです。

 中国とちゃんと利害関係の調整の話をして、戦にならないように、六カ国協議などの枠組みで南シナ海の問題を処理しようというグループです。

 だから、日本のことなど中国への譲歩材料に過ぎません。

 このウィーク・ジャパン・ポリシーの勢力均衡戦略に対して、ストロング・ジャパン・ポリシー派のやっていることは制海権戦略と呼ばれます。

 東アジアと西太平洋の制海権を重視すれば、必然的にストロング・ジャパン・ポリシーになって、それに挑戦しようとするソ連や中国には「ふざけるな」、日本には「お前も一緒になって闘え」と軍役を求めてくるわけです。

 以前、平成以降、まじめにアメリカの属国をやったのは小泉純一郎だけだ、という話をしました。

 ストロング・ジャパン・ポリシー派の大統領が日本に軍役を求めて来たとき、日本がまじめに属国をやらずにいるとどうなるでしょうか。
  日本は頼りにならないと見限り、中国と話をしようとする、つまり、本来はストロング・ジャパン・ポリシー派の大統領が親中のウィーク・ジャパン・ポリシーにシフトする、ということが起きるのです。