わが国の総理大臣、安倍晋三。国の存立自体がゲーム・オーバーになるやも知れず…。

世界各国が「経済のグローバル化」の反省から、軸足を「国民経済への見直し」を目指し保護主義化している中、TPP問題ではトランプ次期大統領に泣きつこうとしている有り様の安倍政権。

また、欧米では移民の増大により社会が荒廃し、世界各国の指導者が移民政策の失敗を認め、見直しが始まっている中、周回遅れで移民政策を推し進めようとしているのが安倍政権。

安倍政権は、いったい国の何を守り、何を維持しようとしているのか?

国の存立条件として本当に大事なものとは何か?

その価値判断がなくなっている事態に、いま日本が陥っていることを自覚している人は実は少ない。

そこで、かつて安倍首相が発言していた以下の言葉を思い出してみよう。

日本の未来に暗闇を垣間みるのは、きっと私たちだけではないはずである。

※以下、適菜収著『安倍でもわかる政治思想入門』から本文一部抜粋引用

 

移民政策について 二〇一四年四月四日 経済財政諮問会議及び経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議

「移民政策と誤解されないように配慮しつつ、

(中略)

さらなる外国人材の活用の仕組みについても、

検討を進めていただきたいと思います。

その際、国家戦略特区の活用も含めて

検討をしていただきたいと思います。」

 

 欧米では移民の増大により社会が荒廃し、移民排斥を訴える政党が躍進している。世界各国の指導者が移民政策の失敗を認める中、急激な移民政策を進めようとしているのが安倍政権である。

 特区を利用したり、「移民と外国人労働者は違う!」などと言いながら、グレーゾーンを拡大し、「移民政策と誤解されないよう配慮しつつ」(二〇一四年四月四日)、押し通すというやり方だ。

 EUの例を見ても、移民受け入れの拡大はなし崩し的に進んでいる。

 基本的な流れだけ押さえておく。

 二〇〇八年六月、自民党の「外国人材交流推進議員連盟」(会長・中川秀直)が、人口減少問題の解決策として今後五〇年間で一〇〇〇万人の移民を受け入れる提言をまとめた。そこには「移民庁」の設置や永住許可要件の大幅な緩和などが盛り込まれていた。

 この議連は、安倍の政権復帰後に「自民党国際人材議員連盟」(会長・小池百合子)として復活。

 移民受け入れ推進派は、「少子化により日本の人口減は避けられない」「このままでは日本は国際社会での競争力を失ってしまう」「だから移民を受け入れて合計特殊出生率を人口を維持できる二・〇七に回復させるべきだ」と言う。

 バカですね。

「人口の維持」とは、移民が子供を産むことを前提としている。

 毎年二〇万人の移民を受け入れた場合、一〇〇年後には約五人に一人が移民系になる。言葉の壁や文化の摩擦が生じ、皇室への尊敬の念や国柄自体が変質していく。彼らの目的は、日本をシンガポールのような複合民族国家に変えていくということである。

 後述するように、シンガポールは極めて不安定な国家である。狭い領土に単純な国家を築いているから成功しているように見えるだけで、日本のような大国に移民を入れても、摩擦を生むだけだ。

 安倍と周辺の連中による国の破壊が進めば、時計の針を戻すことはできない。

 

著者略歴

適菜 収(てきな・おさむ)

1975年山梨県生まれ。作家。哲学者。ニーチェの代表作『アンチ・クリスト』を現代語訳にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』(以上、講談社+α新書)、『日本をダメにしたB層の研究』(講談社+α文庫)、『日本を救うC層の研究』、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(以上、講談社)、『死ぬ前に後悔しない読書術』(KKベストセラーズ)、『なぜ世界は不幸になったのか』(角川春樹事務所)など著書多数。安倍晋三の正体を暴いた渾身の最新刊『安倍でもわかる政治思想入門』(KKベストセラーズ)が全国書店、Amazonにて好評発売中。