わが国の総理大臣、安倍晋三。フクシマはアンダーコントロールされているとは実は思っていない? ただ放置しているだけ?

22日午前5時59分ごろ、福島県沖を震源とするマグニチュード7.4の地震があった。

この地震で気象庁は福島県の沿岸に津波警報を発表したほか、新たに宮城県の沿岸にも津波警報を発表し、高台に避難するなど警戒を呼びかけた。

仙台では1.4メートルほどの津波があった。

2011年3月11日の東日本大震災が甦った人も多いことだろう。

やはり思い起こされるのは、東京電力福島第一原子力発電所の事故。

いまだに約10万人が避難しているという現実。

この原発事故で、横浜市に自主避難してきた生徒がいじめを受けていた問題も発覚するなど、その余波はとどまるところを知らない。

安倍首相はかつて、福島原発事故について何と語っていたか。

いま一度振り返ってみる必要がある、重要な発言である。

以下、適菜収著『安倍でもわかる政治思想入門』から本文一部抜粋して引用

 

福島第一原発について 

2013年9月7日 ブエノスアイレスでのIOC総会での安倍晋三の発言

「フクシマについて、お案じの向きには、

私から保証をいたします。

状況は、統御されています。

東京には、いかなる悪影響にしろ、

これまで及ぼしたことはなく、

今後とも、及ぼすことはありません。」

 

 2011年3月11日午後二時四六分、東北地方太平洋沖地震が発生。これに伴って発生した津波、およびその後の余震により引き起こされた大規模災害を「東日本大震災」と呼ぶ。

 地震から約一時間後に津波に襲われた東京電力福島第一原子力発電所は、一~五号機で全交流電源が喪失。原子炉を冷却できなくなり、一号炉、二号炉、三号炉で炉心溶融(メルトダウン)が発生し、大量の放射性物質の漏洩を伴う重大な原子力事故に発展した。

 2013年9月7日、ブエノスアイレスで開かれたIOC総会で東京が2020年オリンピックの開催都市に選ばれた。

 安倍は、招致の最終プレゼンテーションで、東京電力福島第一原発について「The situation is under control」と発言。

 原発の汚染水については「影響は、福島第一原発の港湾内の0.3平方キロメール範囲内の中で完全にブロックされている」と数字を挙げて説明した。

 もちろん、嘘である。

 当時、誰もがそれを知っていた。

 9月9日には、東京電力が「完全にブロック」発言を事実上否定。9月18日には、汚染水中の放射性物質が過去一年八カ月にわたり周辺の地中や港湾外の海に流出していた可能性があると発表した。

 状況は制御されていなかった。

 同年8月19日には貯蔵タンクから約300トンの汚染水が漏洩。10月2日には、高濃度の汚染水が排水溝に沿って外洋に流れている。これは「0.3平方キロメール」の範囲外だ。

 10月3日、官房長官の菅義偉は「実際に漏れているわけですから、対応策が十分だったとは思っていません」と発言。

 その後、安倍の発言は支離滅裂に。

 11月23日、国会で「その認識のずれ」はどこから来ているのかと指摘されると、安倍は「気持ちにおいて、私は全くずれていないと思う。私は行政の最高責任者として、状況を把握していて、それに対する対処を行っているということで申し上げたわけであります」と答弁。

 なに言ってんですかね。「対処を行っていること」が「under control」なら、爆発しようが「統御されている」ことになる。

(※話題の新刊『安倍でもわかる政治思想入門』本文一部抜粋)

 

著者略歴

適菜 収(てきな・おさむ)

1975年山梨県生まれ。作家。哲学者。ニーチェの代表作『アンチ・クリスト』を現代語訳にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』(以上、講談社+α新書)、『日本をダメにしたB層の研究』(講談社+α文庫)、『日本を救うC層の研究』、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(以上、講談社)、『死ぬ前に後悔しない読書術』(KKベストセラーズ)、『なぜ世界は不幸になったのか』(角川春樹事務所)など著書多数。安倍晋三の正体を暴いた渾身の最新刊『安倍でもわかる政治思想入門』(KKベストセラーズ)が全国書店、Amazonにて好評発売中。