「今さら聞けない」そんなニュースのキーワードはないでしょうか。これだけ押さえておけば、ニュースがみるみる分かる。上司にも「あいつ知ってるな」と思わせる、「トレンドワード」をスピード解説。「分からないことはなんでも聞いちゃう」いまドキの社会人、トオルくんとシズカちゃんが生徒役となり、その分野の第一人者の先生たちに話を聞いていきます。
(キャラクター紹介)
トオルくん…学生時代の付け焼き刃の勉強がたたり、ニュースが分からないことだらけ。素朴すぎる疑問を発してよく相手を困らせる。20代会社員。
シズカちゃん…しっかり者で、いつも「これって〇〇ということですよね」とまとめてくれる。でもじつは結構天然ボケ。20代会社員。トオルとは同僚。

トオル…なんか最近変な天気が多いなあ。そう言えば今年は台風もすごかったよね?

シズカ…確かにそうね。今年は東北や北海道でも台風被害のニュースを聞いたわ。

トオル…年々大きい台風が増えている気がするね。

シズカ…そう言われれば…。いまさらだけど、そもそも台風が起きるメカニズムって私たちよく分かっていなかったりするよね。気象予報士の斉田季実治先生に聞いてみましょう! 先生、さすがにもう11月は台風の可能性はないですよね?

●11月30日に台風上陸はありえる?
 

斉田結論から言えば過去何回か、11月に日本に台風が接近しています。1990年には11月30日に台風28号が和歌山県白浜町の南に上陸しました。その時は、上陸後まもなく温帯低気圧に変わりましたが、三重県の尾鷲で総雨量が400ミリを超える大雨となり、高知県の室戸岬では最大瞬間風速47メートルを観測しました。今年はさすがになさそうですが、11月だからといって来ないというわけではないんですよ。

トオル…11月30日! 12月近くなっても台風がくることがあるんですね。

斉田…そうですね。統計的には台風の発生数は8月をピークに、9月、10月、11月と減っていきますが、実は11月でも平均2個以上が発生しています。これは6月とくらべても多い数字。ただし、発生したと言っても日本に接近・上陸するか、というとそうではない。実際、接近・上陸の数字となるとガクンと少なくなります。これは高気圧や偏西風の影響を受けて、日本列島からそれていってしまうから。

 もう少し詳しく言うと、台風は11月に発生しても、大陸の高気圧が強まって日本付近に張り出しているため、台風は日本付近に北上しにくくなる。この場合はフィリピンの方に行くことが多いです。あとはもうひとつ、上空の偏西風が南下してくる場合は東に流されて日本に近づかないというパターンもありますね。

シズカ…なるほど、発生はしているけれど日本に上陸するまでには至らないのね。

斉田…先ほど紹介した26年前の和歌山上陸の場合は、11月でも気温が高く気圧配置が夏や秋に近い状況になっていたため上陸したんです。まあ今年に関していえば……もう大陸の高気圧の勢力が強くなっているので上陸はないでしょうね。沖縄に接近ぐらいならあるかもしれないですが。

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