習近平国家主席は、米国のトランプ次期大統領の「一つの中国にはこだわらない」との発言にどう応えてくるのか?

 トランプ次期米大統領は12月2日、台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統と電話会談した。米外交筋によると、1979年の米中国交正常化に伴って米国と台湾が断交して以来、米国の大統領や次期大統領が、台湾総統と電話会談をしたことが公になることは初めてだ。

 台湾と外交関係がない米国はこれまで、高官が台湾トップと会談することを控えてきた。中国政府は台湾を国家として認めておらず、中国大陸と台湾がともに「中国」に属するという「一つの中国」原則の順守を求めており、強く反発してきたのは周知の通り。

 「電話会談では、蔡氏からトランプ氏に対して当選への祝辞を伝え、トランプ氏も今年5月に総統に就任した蔡氏を祝った。その上で、両者は「経済、政治、安全保障での緊密な関係が台湾と米国の間にある」と確認し合った。

 台湾総統府によると、会談は10分余り。アジア地域の情勢のほか、米台関係の将来について意見交換をしたという。」(朝日新聞)

 早速中国当局は不快感を示し、米国に抗議。

 「トランプ次期米大統領は11日放送のFOXテレビの番組で、中国大陸と台湾がともに「中国」に属するという「一つの中国」原則について「なぜ我々が縛られなければならないのか」と疑問を呈した。37年間、米中関係の基礎となってきた同原則の見直しの可能性を示唆したのだ。

 中国政府は台湾を国家として認めておらず、「一つの中国」の原則を守るように米側に求めている。トランプ氏はこれを順守するかどうかは、中国の為替政策や南シナ海問題、貿易政策などの対立する分野を挙げて「中国側が我々と取引をするかどうかにかかっている」と述べ、来年1月の就任後、中国政府との外交交渉の手段として利用していく考えを示した。」(朝日新聞)

 さて、米中、この2大国は今後どんな展開を見せていくのか?

  中国はアメリカとどのように渡り合っていくのか?

 その前に、注目すべきは中国が抱え続けるチャイナリスクに目を向けるべきかもしれない。

 近著『赤い帝国・中国が滅びる日』(KKベストセラーズ)が話題の中国専門ジャーナリスト・福島香織氏が「中国と世界」の未来シナリオを予測する(全3回短期集中連載)。

※以下『赤い帝国・中国が滅びる日』から本文を抜粋引用

 

習近平の長期独裁体制を阻むもの

 

 中国習近平政権は数々のチャイナリスクをはらんでいる。そんな中国が今後どのような道をたどるのか。中国が米国と並ぶ世界のルールメーカーとなり、太平洋を二分するような中華圏を確立するのか。あるいは政権が崩壊し、長い動乱時代が始まるのか。それとも、軌道修正されて、国際社会との協調路線に

戻るのか。

 可能性としてはいろいろ考えられるのだが、私はここで、いかにもありそうな五つの近未来シナリオを提示してみたい。具体的な事象を想像することで、日本がこうしたチャイナリスクに備えるべき姿勢も見えてくるのではないだろうか。

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