年の初めに受けるお札やお守り、神様のご利益を願う絵馬など…これら授与品のルーツや意味を知り、正しい作法を身に付けよう!


お札・・・神威を家中に呼び込む“アンテナ”
室町時代から江戸時代にかけて、伊勢神宮の檀家などに配られていたお札「御祓大麻」が起源。明治以降、誰でも受けることができる「神宮大麻」として普及した。神棚などに祀ることで、神様とつながって願いを伝える、いわば家の中に神威を呼び込むアンテナのようなものだ。

お守り・・・肌身離さず携帯する小型のお札
お札を小型にし、肌身離さず携帯できるようにしたものがお守り。平安時代の貴族は、ひもで首から下げる「懸守」というお守りを身に付けていたとされ、それが後に鎌倉時代の武士や江戸時代の町人にも広まった。普段使っているバッグなどに入れて持ち歩いてもよい。

絵馬・・・成就したい願いを込める奉納品
神社に馬を奉納する代わりに、馬の形をした木の彫り物や馬の絵を描いた大きな木の板を奉納するようになり、それが絵馬になった。今では、馬以外の絵柄も多い。お受けした後、その場で奉納せずに一度持ち帰り、願い事や名前を書いてからあらためて奉納してもよい。

お守り・お札・絵馬は神様からの授与品。粗末に扱わないこと

 

 

神様に感謝の気持ちを伝えて、お札やお守りを受けること

 初詣において大切なのは、作法よりも参拝する気持ち。國學院大學神道文化学部准教授の藤本頼生は、初詣に出かける本来の意味を思い出してほしいと語る。

「そもそもお正月とは、年神様を迎えること。初詣は、自分が住んでいる地域の神社や職場の氏神様などに、日頃お世話になっている感謝の気持ちを伝え、一年の計を立てるものです。ただ神様にお願いをして、お札やお守りを受けてご利益を期待するのではなく、今を一生懸命生きている姿を神様にお見せすることが、ご利益へとつながるのだと思います」。

 旧年に受けたお札やお守りは、新年に感謝を込めて同じ神社でお焚き上げをしてもらい、参拝した後に新しいものを受けると、神様の力を新たに授かることができる。それが難しい場合は、ほかの神社でお焚き上げしてもらってもよいし、正月ではなく後日でも構わないと、藤本さんはアドバイスする。ただし、お札もお守りも神様の前でお祓いされた、いわば神様のご分霊。常に身近に置いておき、粗末に扱わないことこそ、何よりも大切なのだ。

 絵馬も、お札やお守りと同じく神様からの授与品。お願い事をするときは、感謝の気持ちを込めて奉納しよう。

 

【授与品の扱い方 正しい心得】

1、お守り袋、神札の包み紙は取り替えてもよい
お守り袋は、あくまで持ち歩くための入れ物。社寺によっては中のお札だけをくれるところもある。また、薄紙が神札にかけられている場合もあるが、これはいわば“包装紙”なので、外しても構わない。

2、お守りをたくさん持っていても構わない
「いろいろな神社のお守りを持っていると神様どうしが喧嘩する」などといわれるが、あくまで俗説。たくさんの社寺をまわったからといってバチがあたることもない。

3、授与品のお焚き上げはなるべく受けた社寺で
本来は授かったところへお返しするべき。しかし、遠方の場合などであれば、何年か経ってからお返しすることになっても、または年ごとに最寄りの社寺でお焚き上げをしても構わない。

 

藤本頼生さん
國學院大學神道文化学部准教授、國學院大學研究開発推進機構研究開発推進センター准教授を兼担。茨城県橿原神宮権禰宜も務める。97年から11年3月まで、神社本庁に勤務。著書に『神社と神様がよ~くわかる本』(秀和システム)ほか。

※一個人1月号