「恋愛」にときめきを感じるとき、脳はどのような状態になっているのだろうか? そのシステムがわかれば、もう恋愛に悩むこともなくなり、もしかすると意中のあの人への想いも、成し遂げられる可能性も高まるかもしれない。
 テレビのコメンテーターとしてもお馴染み、脳科学者で新刊『幸せをつかむ 脳の使い方』の著者、中野信子先生に聞いてみた。
『幸せをつかむ 脳の使い方』(KKベストセラーズ) 著者の中野信子先生

脳科学で読み解く「恋愛のシステム」

恋は妄想と言うけれど……


『脳科学的な「ときめき」の仕組みとしては、ある特定の異性を示す刺激、つまり、その人の姿などの視覚刺激、その人の名前やその人の声など音声・言語刺激、匂いなど嗅覚刺激等々を受けとると、脳の報酬系と呼ばれる部分を中心にドーパミンが放出されて、ときめきの気持ちを感じるという仕組みになっています。  
 よく、ときめくから恋をするのか? それとも、恋をしたからときめくのか? ということも聞かれますが、これは定義の問題で、誰かを見たときに起こる「胸の高鳴り(心拍数の変化)」など生理的な変化に伴う感情の変化を「ときめき」と呼び、それが特定の人物を対象にして起きる状態を「恋」と呼ぶので、どちらが先とは言えないのではないかと思います。
 恋の対象を想起させる刺激が入ると、さらに報酬系の反応が強化されていき、あたかも「恋のスパイラル」とでも言えるような、脳内麻薬の分泌増が脳で起きているような状態だろうと考えられます。  
 ただ、近年は、なかなか恋のときめきを感じない若い人も増えていると聞きます。  
 冷静すぎる人たちは、恋のときめきを感じる前に「理性的」な判断をするため、「種の保存優先」でなく「個体優先」の行動をとることが多いのでしょう。
 そのほうが、個体の生存のためには有利だからです。  
 現実問題として、経済的な負担を考えてしまうと、どうも子どもをつくろうという気になれない、という若いカップルも多いのではないでしょうか?  
 こう考えると、少子化とは、もしかしたら理性をつかさどる脳が発達しすぎたからこそ起きた、ある意味必然の流れなのかもしれません』