「一流しか存在価値がない」と言い切る林先生。では、そもそも林先生の考える「一流」とは一体どのようなものなのでしょうか?


講演で行った香川の「一流」のうどん屋さん

 講演で四国に行ったときに、香川県の宇多津という場所に行きました。高松市内から車で1時間近くかかる決して便利な場所ではないのですが、ここにある「おか泉」といううどん屋さんの前にはいつも長蛇の列ができている。平日の昼間であっても行列は絶えません。地元の人たちに聞いても、「あそこの店はダントツ」とみんなが口を揃えるんですね。
 また、たとえば東大対策の現代文において、「林じゃなきゃダメだよ」、「他は論外」といった声が、聞こえてくることが多々あります。単なるお世辞なのかどうかの見極めは重要ですが、こういう評価を絶えず得ることも必要です。

写真/花井智子

 このように、関わる人からの客観的評価でトップと認められ、経済活動の中でもそこに多くのお金が使われている。そして、代替がきかないと考えられている、それが一流だと僕は考えています。この対極である「二流」。もっときつい言葉でいうと。「無能」。仕事で関わると、本当に困ることが起きます。

 仕事においては、「このぐらいでいいよね。俺たち、頑張っているんだから」と下に向かう圧力をかけますから。今の時代、それを糾弾するとブラックと言われかねないだけに、いっそう問題は大きいと思います。「頑張ったからこのぐらいでいい」なんてヤワな考えでいい仕事ができるわけありません。

 職場に仕事ができない人間が一人でもいると、必ず誰かに迷惑がかかります。それだけでなく、「じゃあ、こちらもこれぐらいでいいや」という、強烈な下降圧力を、全体にかけてしまうことも多いのです。「二流」は伝播しやすいんです。

 だから、新人マネージャーに対しても、仕事ぶりが気になれば徹底的に指摘します。「グズはやめろ!」という本音は、腹の中に飲み込みつつ(最近はそんなことを言うと、パワハラになりますからね)、あり得たベストのパフォーマンスと、実際に彼らがやったことの差はどのようなものであるのか、どうしていればそういう差は生じなかったのかといったことを、丁寧に説明することもあります。「こういうことを説明されなければわからないようでは、また同じミスをするんだろうな」という絶望的な本音は決して漏らさず、表面はニコニコしながら。(笑)

明日の第四回の質問は「Q4.仕事でミスやトラブルを防ぐには?」です。