予備校講師以外にも、日々多種多様な仕事をこなしている林先生。仕事中のミスやトラブルにはどのように対応しているのでしょうか?


起こりうるミスやトラブルをシミュレーションできてこそプロ

 何かミスが起きたとき、「まさかこんなことになるとは」と呆然とする人がよくいますが、僕に関していうと「予想外」のミスは、本当に起きないんですよ。理由は、シミュレーションをしっかりやっているからです。周りで起きることは、だいたいその中に収まっているんです。

写真/花井智子

 僕のシミュレーションは、基本的には一週間単位で行ないます。日曜日の夕方もしくは夜に、次の日曜日までの1週間で起こり得ることすべてを頭に思い描いてみる。1〜2時間と十分に時間をかけて考えて、必要なことはスマホにメモをします。
 このときに、起こる可能性のあるトラブルまで考えているのが、他の人との違いではないでしょうかね。だいたいトラブルを起こす人間は決まっていて、トラブルの内容も想像がつくものなんですよ。もし、なにか起きても想定内だから、むやみに慌てることがないんです。

 もう一つ、僕のシミュレーションの特徴として、逆算の考え方があります。次の日曜日を起点にして、そこからさかのぼって1週間を俯瞰していく。逆算するメリットは、ミスを防げること。若いマネージャーがミスをしたときも「この仕事の目的は何? じゃあ、なんでその目的からさかのぼって考えないの?」とよく注意しています。
 もう少し遠くを見据えた逆算も必要です。特に、僕のいる予備校界では、そうせざるを得ないんです。センター入試が廃止されて新テストが導入されるのが、3年後の2020年。大きく入試制度が変わりそうなんです。そこから逆算して、今、どういう準備をしておくべきかを考える必要があります。AIの発達、少子化もあって、間違いなく必要な人間の数は減ります。そのときになって、「仕事がない、どうしよう?」と言っているようでは遅いんです。今から、想定されることなんですから。

 もちろん、どのような仕事でも念入りにシミュレーションはして、万全の態勢で臨むべきです。それができなければ、プロとは呼べないと僕は思っています。
 

明日の第五回の質問は「Q5.芸能界のトップに学んだことはなんですか?」です。