2020年に廃止される、大学入試センター試験。廃止の裏にある文科省の意図とは一体なんなのか。2017年1月に著書『2020年からの教師問題』(KKベストセラーズ刊)が発売される、石川一郎先生にお聞きした。


センター試験廃止の先にある教育改革

 

 昨今取りざたされている2020年の大学入試センター試験の廃止、それに伴う新テストの導入。これが単なる入試制度の変更ではなく、学校教育そのものの改革を意味しているということを、どのくらいの人がご存じなのでしょうか。

 2014年12月22日、文科省内に設置されている中央教育審議会というところ――よく「中教審」と省略して呼ばれています――で「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」という答申が取りまとめられました。
 この答申の中身を簡単に言い表すのなら、「大学の教育が変わる、高校の教育も変わる、大学入試も変わる」。社会に出てから活躍できる人材を育てるために、大学教育は変わらなければならない。その変化に従い、高校も変わらなければならないだろう。同時に、二つの機関の接合点である入試も変えた方が良さそうだ――という理屈です。
 この「三位一体」の改革こそ、この度文科省が行おうとしている大々的な教育改革なのです

 ただ、一口に「改革」と言っても、実際に何をしようとしているのかわからない、という人がほとんどでしょう。一つずつ説明していきます。
 まず、大学教育に対しては、「どのような方針で学生を受け入れるのか」「どのような資質・能力を持った人物を育てたいのか」「そのためにはどのような教育内容がふさわしいのか」を明らかにすることが求められています。
 それぞれ「アドミッションポリシー」「ディプロマポリシー」「カリキュラムポリシー」と呼ばれており、これらは各大学のパンフレットやホームページ等でも確認することが可能です。
 要するに大学教育は、入口から出口まで全体の教育改革が求められているのです。

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