著書『林修の仕事原論』(青春新書インテリジェンス)で、自身の働き方に対する考えを表している林先生。最近の若い世代の働き方については、どのように考えているのでしょうか。お話を聞きました。


天ぷらの名店「みかわ」のご主人の言葉に首肯

 「若い頃に休みなく働いた経験はありますか?」
 天ぷら屋さんやお鮨屋さんに行って、「このご主人は仕事ができるな」と思ったら、必ずそう訊きます。
 すると、大抵、「ある」という答えが返ってくるんです。「休みなんかまったく取らなかった。365日、仕事にどっぷり浸かってどこまでできるか。今はとてもできないようなムチャをしていましたね」と多くの方がおっしゃいます。
 天ぷらの名店「みかわ」のご主人は、こんなことをおっしゃっていましたよね。
「仕事を覚えにいくんじゃない、辛抱を覚えにいくんだ」
 まさにその通りだと思います。

写真/花井智子

 本当に悪質な勤務体制の会社もあるので、どんなムチャな要求にも耐えろ、とは言いません。確かに、本当の「ブラック企業」は存在しますからね。それでも、若いうちはある程度ムチャをしないと伸びないというのも一面の真理だと思うんです。
 若さとは、経験も浅く、できないことが多いということでもあります。だから、能力を目一杯伸ばすためにも、可能な限りのムチャをすべきだという考えがあることも知っておいてほしいと思うんです。もちろん、「不可能な」ムチャをしろとは言いませんよ。
 僕自身もうそうやって働いてきて、若い頃はたとえば45連勤とか平気でやっていました。しかも、その合間に、何度も朝まで飲み明かすようなこともしながら。今思うと、本当にタフでしたね。

 ちなみに、最近でも15連勤の後、1日休みがあって、その後14連勤。30日間で休めたのは1日だけです。こういう働き方ができるのは、若い頃に「ムチャ」をした経験があるからでしょうね。
 とはいえ、若い頃より確実に体力は落ちているので、連勤は正直、きつい。徹夜で遊びに行くどころか、12時前に切り上げて帰っても、翌日は夕方まで調子が悪いぐらいです。「あと10歳若ければ、今の1.5倍は仕事ができるんだけどねえ」と、いつもマネージャーに言っています。
 

明日の第十二回の質問は「Q12.最近の若いビジネスマンの印象は?」です。