■人生でもっとも涙を流した1週間

 ファジアーノ岡山でプレーオフを戦ったのが12月4日。8日には退団を発表し、10日のファン感謝デーで挨拶をさせていただいて、僕の2年間の旅は終わりました。

 4日からの約1週間は、僕の人生で最も多くの涙を流した1週間となりました。
 このクラブをJ1に上げたいという夢を叶えることができず泣き、クラブを離れることが決まり泣き、家族を前にして泣き、サポーターの皆さんの温かい言葉に泣き、そしてたくさんのチームメイトのメールに泣きました。

 だから、やっぱり僕は自分が所属したチームとは対戦したくないのです。チームメイトたちが「対戦したくないから、J2には行かないでくださいね。」と言ってくれた言葉に、今回もその気持ちを確認しました。
 いかにも美談と言われるような書き方で綴ってきましたが、サッカーの世界は美しいことばかりではありません。サッカー選手は個人事業主であり、裸一貫で紙一重の世界を渡り歩いて生きていかなくてはいけません。

 ただ、サッカー選手と言えどもただ1人の人間です。自分の人生しか歩けません。自分の選択に後悔に似た感情を抱く瞬間も当然ありますが、大事にすべきなのは「自分のスタイルや生き方をどこに置くか」だけなのだろうと思います。"普通"や"当たり前"を周りとあわせる必要はなく、自分の生き方を見失うことがなければいいのです。

 それを踏み外すことなく力強く歩いていけば、オリジナルの道ができます。オリジナルの道を歩けば、そこにはストーリーが見えます。
 自分もベテランとなり、周りをふと見ると、当然ながら同年代が一緒にベテランとなっていますが、その人たちの道にはみんなオリジナルの色があり、ストーリーがあります。 
 それは、キャリアの様々な経験の中で、ブレそうになる自分と向き合いながら、いつも自分の中の「大事なもの」をいつも心の真ん中に置きながら、その人なりの生き様を大事に守ってきたからだと思います。