トラブルが多い
相続不動産の売却

 いよいよ最終回となりました。
 今回は、相続後の売却に備えた事前の調査が、いかに大切かをお話しいたします。

 相続は、発生から相続税納税まで約10カ月の期間を要します。相続税を納税する際に土地の売却が必要になる場合は、この期間内に売却しなければなりません。

「10カ月もあれば大丈夫だと思いますか?」

 ご両親がお亡くなりになり遺言書が遺されていない場合は、相続についての具体的な話し合いが49日法要までされないことがほとんどです。49日法要後に、財産の分配や納税の金額を算出し、納税資金を確保する手段を検討する方が多いです。

 ご両親の準確定申告の手続きが必要になりますし、事務的な手続きにも追われますから、相続発生日から相続税納税準備に動き出すまで、あっという間に3~5カ月は過ぎてしまいます。

 それから不動産の売却に動き出すと、売却前にトラブルが生じるケースも多く、納税期限までにスムーズな売却ができないことがよくあります。

~不動産の売却前によくあるトラブルの一例~
・土地の境界が不明
・隣地からの越境物がある
・私道の持分が無い土壌汚染調査をしなければならない……など

 不動産を所有している多くの方が、不動産の売却時に、お金のこと以外では何も調整する必要がないと思っていらっしゃいます。

 しかし、実際に調査をしてみると、何かしら解決すべき問題が発見されることが多々あります。

 特に、境界や測量図をきちんとしていなければ買い手が付きづらくなります。境界が不明な箇所について復元するには、隣地所有者の立会が不可欠ですが、隣地の方との関係が良好でない場合は、スムーズに立会に協力してくれないような事態も起こりかねません。

 また、前面道路が公道であっても測量(査定)されていないことがよくあります。査定されていない道路に面した土地を測量する場合は、役所に道路査定を依頼する必要があるため、その道路査定に数カ月の時間を要することがあるのです。

 相続が発生してから不動産の調査を始めるのでは、納税期限までに売却できなかったり、もしくは時間がない中で早く売るために安く売らざるを得なくなってしまうのです。

 このような事態を防ぐには、今の所有者の方がお元気なうちに、不動産に関する問題を不動産コンサルタントに調査してもらい、問題点があれば早め早めに対策をとっておくことが大切です。