安倍首相が天皇陛下を茶化したのはなぜなのか?

藤井聡(内閣官房参与)×適菜収(作家)新春対談

『2017年どうなる、どうする?』第2回《集中連載》

 

【橋下徹と安倍晋三】

適菜 国民が狂っているから、安倍みたいなものがもてはやされる。毎日新聞の編集委員の伊藤智永さんが『月刊日本』という雑誌に書いていたのですが、安倍が天皇陛下を茶化してからかったというんですね。引用すると、「ある有力政治家の話ですが、彼が官邸の総理執務室で安倍さんと生前退位の話をしたら、安倍さんはカーペットに膝をつきながら、『こんな格好までしてね』と言ったらしいのです。ちょっと何て言うか、天皇陛下が被災者の方々に寄り添うお姿を、そういう風にちゃかしてみせるというのは……。信じがたいですね」。

藤井 ………。

適菜 自分の肩書きで責任をもって書いてるから、ガセとは思えませんね。

藤井 生前退位の話も、そもそも譲位ですが、たかが有識者ごときが賛成反対を論ずること自体が意味が分からない。少なくとも反対するなら、「逆賊」のそしりを免れ得ないと覚悟しながら、反対を表明すべきです。

適菜 産経だか日本会議系だかで、天皇陛下を批判している学者みたいなのもいますよね。

藤井 百歩譲って「諫言」(目上の人物をいさめる言葉、の意)であればありえるかもしれませんが、通常はそれは「切腹」すら覚悟せねばならない話。今は時代が違うとは言え、そんな空気が一切残っていないのを目の当たりにすれば、もうこの国は日本ではないんだなとすら思ってしまう。

適菜 私が危惧しているのは安倍と橋下の接近です。カジノ建設と改憲の手伝いを取引にしているという話は出ていますが、下手をしたら、橋下が民間大臣になるということもあり得る。将来、総理大臣になる可能性も完全には排除できない。そうなったときに皇室が狙われる可能性があります。橋下はかつて大統領制を唱えていたし、基本アナーキストでしょう。反皇室の石原慎太郎ともつながっていた。日本の伝統文化に対する橋下の発言を振り返れば、日本に対する強烈な憎しみが根底にあることがわかる。安倍は橋下がそういう人間であることを承知のうえで、蜜月の関係を築いているわけです。

藤井 参与は、内閣に対する正式のアドヴァイザーです。一方で、「国の事なんかどうでもいいし、ウソをついて人を騙すのが当たり前」と思っている人間には、アドバイスなんて到底出来ないのは当然。そして「橋下」という人間は、自分はまさにそういう人物だと自著の中で断言している。だからそんな人間が万一内閣に入ることがあったら、参与の職務を全うすることは実質的に不可能となってしまいますね。

適菜 橋下はテレビ番組で、「日本は外国人政治家を招聘すればいい」と言っていた。国籍は関係ないと。

藤井 それは凄い。「国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去った」わけですね。そうなりゃ「外国人参政権はいかがなものか」どころの話しじゃないし、蓮舫さんの二重国籍問題も何ら問題ない、ということになります。

適菜 日本の総理大臣が中国人や韓国人になるかもしれない。度を越してますね。橋下は「竹島を韓国と日本で共同管理しろ」とか、「日本人と握手できるかわからない」と言うような人物です。「能や狂言が好きなのは変質者」と、日本の伝統文化を思いきり嫌う。

藤井 そんな主張をする方は「政治家の資質」はないと言う他ありません。もちろん「私人」なら、そういう輩もいる、という話でしょうが。

適菜 どの角度から見ても詐欺師に決まっている人物を、重用しているのが官邸です。これが現在の日本の政治状況です。

次のページ 安倍首相は「一億総玉砕」という言葉の中にあるメンタリティと似ている