見た人がどう思うか? を常に考えているという、演出振付家・MIKIKOさん。楽曲を表現する「振付」という作業はどのような過程で、どんなことに気をつけて行われているのかを聞きました。

振付は、楽曲の第一印象と同じくらいインパクトを与えるもの

 振付を作る過程としては、まず曲をいただきます。一番大切にしているのは、最初にその曲を聴いたときの第一印象を忘れないようにしておくこと。明るい曲でも、なぜか切なく聴こえることがあるんですよね。それを覚えておいて、振付を作るときに表現する。
 振りを見るときの第一印象は、その曲を聴いた第一印象と同じくらいのインパクトだと思うんです。だから、私が解釈し提示した振付が、振りを見た人のイメージを超えていけるようにしたい。もちろん、歌詞を理解するために曲を聴き込む……ということはありますが、あまり聴き込むと深読みし過ぎてしまうので、共感が得られにくくなってします。そのバランスは常に心がけています。

撮影/杉田裕一 [POLYVALENT]

 歌詞がない曲に振付する場合もあります。そのときは、設定に合わせていますね。リクエストが「人間がロボットアームを操っているように見せたい」というお題だったら、ダンサーの動きもロボットアームっぽくして、共鳴しているように見せるような振付を作ることもあります。振付にかかる時間はケースバイケースですが、短いときは一日で作らなければならないこともあります。
 歌い手がグループの場合には「歌割り」(編集注:ボーカルが複数いる場合、楽曲のなかでそれぞれの担当パートが割り振られること)の制約もあります。例えば、Perfumeのような3人組の場合ですと「このパートはあ~ちゃんがセンターで歌っているけど、次のパートはかしゆかがソロだから、それまでに彼女をセンターに来させなくてはならない」というような。あるいは、「のっちのソロパートだけど端っこにいるから、他のふたりは低いポジションにして、のっちだけを立たせて目立たせよう」などのフォーメーションです。そういうことを計算した上での振付なので「グループのメンバーが誰か欠けると踊れない」とはよく言われます。

明日の第五回の質問は、「Q5.MIKIKOさんの振付の“原型”はどのように生まれたんですか?」です。