PerfumeやBABYMETALなど、数万人規模のコンサートの演出を手掛ける演出振付家のMIKIKOさん。舞台演出のおもしろさに気付き、はまってしまったのだそう。その理由を伺いました。

一番の舞台装置は満員のお客さん

 本番一発勝負の生ものならではの、“見えないものを操る”ということでしょうか。ざっくりした構成は頭のなかで作れますが、ちょっとした細部の工夫が生きたかどうかって、やっぱりお客さんが入った本番のステージに行かないとわからないことなので。

撮影/杉田裕一 [POLYVALENT]

 例えば、曲と曲との間にたった0.5秒の間をつくるとか、暗転するタイミングをほんの少しだけ早くするとか。そうした細かな演出をわずかに変えるだけで、お客さんの拍手の数が全然違うことがあるんです。コンサート自体の大きな構成は、自分の頭の中で考えることですが、予測できない細部のことがコンサートの流れを大きく変えることがある。
 大規模なコンサートだからこそ、小さな小さな工夫が考えられないくらい大きな効果を生み出すんだって知ってからは、舞台演出のおもしろさから抜け出せなくなりましたね。そうした間やお客さんの反応は、5回公演があったら、5回とも違うんです。だから永遠に修正ができるものでもあるし、永遠に答えがないものなんだな、と思います。
 それから、お客さんの存在ってものすごく大きくて、いるのといないのとでは全く違うんです。スタッフから言われた印象的な言葉があって。「どんな舞台装置を組んでも組まなくても、一番の舞台装置は満員のお客さんだから」って言われたんです。「お客さんが入ったらそれが舞台装置になるから、お客さんが入っていないときに思うこととは全然違うからね」って。まさにその通りなんです。お客さんがいないと、舞台というのは完成しないんですよね。

明日の第二十三回の質問は、「Q23.これまでに手がけたなかで、とくに印象に残っている公演はありますか」です。