グリップは体とクラブをつなぐ唯一の接点。でも、多くのアマチュアゴルファーは「グリップ」よりも、「スイング」に重きを置いています……。
スイングは「動」だから、難しい。グリップは「静」だから、簡単!  グリップを修正するだけの、たった5秒で“球筋"が劇的に変わることもあるのです。
人気ゴルフコーチ・関浩太郎プロが、グリップの重要性を4回にわたって解説。
連載第4回目のテーマは、『調子のよいときのグリップは、必ず写真を撮っておく』です。

 どんなに優れたプレーヤーでも、自分の気づかないうちにグリップが変わってしまうことがよくあります。
 プロですらそうですから、一般のアマチュアゴルファーは練習する日やラウンドする日によって、グリップが違ってしまうのは当然と言えます。
 そんなことからトーナメントプロたちは、自分のアドレスの姿勢を鏡などに映してグリップを細かくチェックする習慣が身についています。
 幸いにもグリップはスイングと違って、「静的チェック」ができます。自分では両手を正しく握っていたつもりでも鏡に映してみると、「あっ、右手がこんなにかぶっていたのか」などとすぐに気づきます。
 1日プレーしていて、「今日は調子いいな」と思った日は、自分のグリップを写真に撮ってもらうといいでしょう。調子が悪いときは調子いいときのグリップの写真を見て、同じように握るのもよい方法です。その日の体調で球筋が変わってしまうのはよくあることですし、調子がいいときと同じグリップをしても違和感が生じたり、何となく気持ちが悪いと感じたりする場合もあるかもしれません。
 でも、そのグリップは自分にとって正解なのですから、よいときのグリップ写真は不安を取り除くためのよき材料となるはずで、調子を取り戻すキッカケづくりにもなります。

 グリップの調整は、料理の「味見」と一緒だ
 私はかつてプロの試合に出場していた頃は、スタート前の練習でいつもと違う球筋が出たときは、グリップを調整することを習慣づけていました。他のプレーヤーも同様で、両手を毎日同じように握っているように見えても、よく観察してみると微妙に違うのです。
 アマチュアレッスンの際、体調があまりよくないせいか、朝の練習でショットの方向が不安定な人がいたら、私はスイングのことには一切触れないで、グリップだけをアドバイスするようにしています。たとえば何となく体がだるくて体がスムーズに回らないし、下半身がちょっとバタバタしている人がいるとします。ダウンスイングで左腰がスエーするため、クラブが寝た状態で下りてきてフェースが開いているという具合に原因は明らかです。そこで左腰がスエーしないように左サイドの壁をしっかりつくって打とうとしても、その日は体調が悪くて下半身が我慢できないから、どうしてもよい結果が得られません。
 そういう場合、グリップに着目させてストロングに握るようにアドバイスしてあげると、案外うまくいくことが多いものです。

 左手をどのくらいストロングに握るかは、お料理の味見と一緒です。醤油の味が薄ければ、ちょっとずつ足してちょうどいい味加減を見つけるでしょう。それと同じで、「少しストロングに握る→まだスライスする→もう少しストロングに握ってみる→スライスが少し軽減された→もう少しだけストロングに握る→ほとんど曲がらなくなった→よし今日はこのグリップでいこう」という具合に調整し、最終的に決めるのです。
 ボールが右にも左にも飛んで、とにかく当たらないときは、たとえ飛距離が
10~15ヤード落ちてもいいから、クラブを少しずつ短く持ってみて、ショットの方向性がある程度安定するまでグリップ短く握ることもお勧めします。
 このようにスイングに不安をかかえたままでプレーするよりも、グリップを調整することで安心感を得るほうがずっと得策です。<了>

 

<『ゴルフは「グリップ」だけで上手くなれる』(関浩太郎/著)より抜粋>