■1年前と変わった世界

 

 愛媛マンダリンパイレーツ退団を発表して1カ月以上が経った。
「あ、トレーニングしなくていいのか」と、朝に目を覚まして思う。毎日あれだけトレーニングをして、体を動かしてきて、急に違う世界に来た感覚――とはいえ、それはつい1年前の生活と同じなのだけれど、ちょっと不思議な気持ちになる。いわゆる、急にぽっかりと心に穴が開いたような感じだ。
 一方で、ホッともしている。動かなくていいんだ、って(笑)。
 1年前――四国アイランドリーグに挑戦する前と大きく違うのは、「周りの世界」だ。

 退団をしてから、本を書かせてもらった(『最速123キロ、僕は40歳でプロ野球選手に挑戦した』)こと以外、芸人としての仕事としては大きな変化があったわけではない。
 1年前より大幅に増えたとか、収入が良くなった、とかそういうことは、残念ながらまだなくて(笑)、逆に、今年一年が大きな挑戦になるという危機感がある。

 でも、違うのだ。明らかに、見えている「周りの世界」が違う。

 これまで、新しいネタをするときには「このネタ、うけるかな……」と始まる前から不安になっている自分がいた。今は、それがない。
「ネタ、うけるかな」と考えるより「気持ちを込めてやれば絶対に伝わる、ウケる」、と自信を持って舞台に立とうと思える。根拠のない自信かもしれないけれど、それは絶対に大事だという感覚がある。それだけで仕事への心構えまで変わってくるような気がしている。

 愛媛や四国には、20代前半や、10代といった若いうちから自ら行動を起こし、夢を追いかけてる人――かつてのチームメイト――たちがいる。今でも彼らと「LINE」などで交流をしているけれど、彼らの一言、一言が刺激になり、自信を持って前を向こう、動こうと思わせてくれる。

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