糖尿病専門医として37年のキャリアをもつ牧田善二氏が、「老化の原因」と指摘する「AGE(エージーイー)」。聞きなれない単語ですが、人間のからだにどんな影響をおよぼすものなのでしょうか。ベスト新書『日本人の9割が誤解している糖質制限』より解説します。 

答えは「AGE(エージーイー)」

 AGEとは、「Advanced Glycation End Products」の略で、「終末糖化産物(しゅうまつとうかさんぶつ)」と訳されている。

 このAGEこそ糖尿病合併症の真犯人であり、体にあらゆる悪さをする人類最大の敵なのだ。

 食品中にもAGEは含まれるし、血液中の過剰なブドウ糖がタンパク質と結合することによっても産出される。糖尿病の診断に欠かせない「ヘモグロビンA1c」もAGEの一種である。

 ブドウ糖と酸素は、生命維持に必須である。しかし、皮肉なことに、この二つが私たちを老化させもする。

 私たちに起きる、老化現象の主たるものが「酸化」と「糖化」だ。

 

 酸化は細胞が「錆びる」ような状態であり、酸素が原因となる。皮をむいたリンゴを放置すると、酸素に触れて表面が錆びたような茶色に変色する。これと同じことが、私たちの体内でも起きている。

 一方、糖化は「焦げる」と表現するにふさわしいもので、ブドウ糖が原因だ。糖化とは、タンパク質がブドウ糖と結びついて劣化する反応のことだ。糖化されたタンパク質からつくられる悪玉物質がAGEである。最近の研究では、脂質も糖化されることがわかっている。

 私たちの体は、脂質とタンパク質でできている。だから、ブドウ糖による糖化はあらゆるところで起き、それが老化の最大の原因である。

 糖質を摂りすぎることは、全身の老化を進めることそのものと言えるのだ。

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