坂爪真吾著の最新刊「見えない買春の現場 『JKビジネス』のリアル」2月9日発売。とかく性を売る側の女性にばかりが注目されがちな売買春の現場だが、もう片方の当事者である男性に目が向けられることはかなかった。本書では彼らに焦点をあてることによって、問題の解決に取り組んでいく。

 ■顔のみえない買春男性の素顔を暴く!

 性風俗や売春を扱った書籍の宣伝文句には、「なぜ彼女たちは身体を売るのか」「裸になったのか」という女性を主語にした問いが必ずと言っていいほど使用される。

 しかし「なぜ彼らは」という男性を主語にした問いが使用されることはまずない。

 いつの時代も、男性は自らが買う理由を問われることなく、売る理由を問う側であり続けてきた。それゆえに、彼らは顔の見えない匿名の存在であり続けてきた。

 本書はこうした「名前のない男たち」の実像に迫った、はじめての書籍である。

 

以下は実際にJKビジネスを利用している男性の声である。

 

「JKリフレに通ったことで、コミュニケーション能力は上がった。今では『結構しゃべる方だね」と言われるようになりました」(30歳・SE)

「アイドルの握手会などの類似のビジネスもある中で、JKビジネスだけを摘発するのは不条理です」(25歳・接客業)

「JKリフレには、風俗でも満たされない、マッサージでも満たされない何かがある」(45歳・商社)

 

【目次】
はじめに 
「私たちは『買われた』展」/時代遅れの「貧困ポルノ」/それでも「貧困ポルノ」を展示し続けるしかない?/終わりなき「欠席裁判」の繰り返し/「買う男」にスポットライトを当てろ
第1章 買春の歴史 
「語りえぬもの」としての買春/「買春」の誕生/買春への反対運動/「政治家の下半身の話はしない」という不文律の崩壊/当時の買春男性の実像/二元論や感情論で買春を論じることの限界/売買春の「ボーダーレス化」/児童買春・児童ポルノ禁止法の制定/「買う側の男性の心の貧しさ」「意志の弱さ」の問題?/出会い系から非出会い系へ/児童買春の法的位置づけと罰則/減少する児童買春/買春男性を巡る神話
第2章 メディアと買春 
児童買春で逮捕された男性の実像/ステレオタイプの警察報道/小児性愛者ではない?/「女子高生とセックスすること」は、実は不可能?/「神待ち少女」と「神」/援助交際をする男性の類型/自由になるための買春/「月刊買春」裏モノJAPANの分析/曖昧な「買春」/ミソジニー(女性嫌悪)と元取り思考の罠/二次情報の向こう側へ
第3章「月刊買春」の世界 
『裏モノJAPAN』の舞台裏/アイドルオタクがナンパの世界に/『裏モノ』の編集哲学/『裏モノJAPAN』の読者層/「明日の社会より今日の射精」/名前のあるプロの女より、名前のない素人の女/女性嫌悪ではなく「お笑いバラエティ感覚」/『裏モノ』が今の形になった理由/『裏モノ』の視点から見た、未成年を買いたがる男の実像/遍在する買春/買う男の動機を掘っても、何も出てこない?/売る女性の動機を掘っても何も出てこない?/極めて合理的な売買春の世界/児童買春を減らすための情報源として活用すべき/分かりやすすぎて、逆に分かりづらい/買う動機を掘るのではなく、買いたくなる環境に目を向けるべき
第4章「婚活」としてのJKビジネス 
「JKビジネス」とは何か/JKビジネスの社会史 ~「萌えビジネス」から「JKビジネスへ」~/JKリフレの過熱化と肉食化/一斉摘発と「JKお散歩」/アングラ化と脱法化の進展/JKのいないJK店/「私たちのすぐそばにいる、どこにでもいる普通の人間たち」/JKビジネスに通う男性の声/『合法JKナビ』管理人、かく語りき/JKビジネスは「婚活」の場!?/中年男性とJKのいびつな共鳴/男性が摘発されるのはどのようなケース?/「プロJK」に騙される男性/恋愛の理想像を少女に押しつける男性客/未成年の世界に関わるリスクとコスパ/女子高生に自分を認めてほしいと願う中年男性/「婚活トレーニングジム」としてのJKビジネス/強烈な利益を叩き出すJKビジネスの魔力/「供給を減らす」対策の限界/「需要を減らす」ことも不可能/「不便かつ危険な車社会」を卒業するために
第5章 曖昧さの引力 
◆浦山さん(30歳):SE・JKリフレ利用歴約1年
JK自体へのこだわりは無い/リフレで心の穴は埋まるのか/男性側から見
た、JKリフレの現場/曖昧さこそが魅力/裏オプの誘惑は?/方便として
のJK/JKリフレの曖昧な未来
◆赤塚さん(25歳):地方在住・JKリフレ利用歴約1年
恋愛とJKリフレの関係/「プロJK」の接客テクニック/JKリフレのこれ
からと児童買春
◆大野さん(41歳):東京都在住・JKリフレ利用歴7年
男性が児童買春の買い手にならないための条件とは?/JKリフレを「児童
買春の防波堤」にせよ/モラルの啓発ではなく、ソーシャルデザインが必要
第6章 児童買春という不幸を減らすための提言 
フランスで「買春禁止法」制定/批判者側の主張/北欧モデルに効果はあるの
か?/日本では北欧モデルは通じない/「児童買春」の定義そのものを解体せよ/「長野モデル」の敗北が意味するもの/啓発と厳罰化の繰り返しを超えて/現場の「道路地図」が必要/JKビジネスと社会福祉の連携可能性/「悪役がどこにもいない世界」で闘い続けるために
あとがき 
夜の秋葉原「ビラビラ通り」を歩く/街の全てを把握している人はいない?/秋葉原は「社会的に弱い立場の人も楽しめる街」/「空中戦」から「地上戦」へ/「労働」と「児童」という二つのアキレス腱
「見えない買春の現場」を知るための参考文献