CD が売れない、爆発的なヒット曲がなかなか生まれない......など苦しい状況が続く日本の音楽業界。そんな音楽の現場に身を置き、数々のアーティストの振付・演出を行う MIKIKO さんの目から見た現状と課題とは。

ライブでいかに観客の心を動かせるかがより重要になってきた

 個人的な意見としては「勢いがない」とはまったく思いません。
 私の周りのアーティストは皆、良い音楽を生み出そうと情熱をかけていらっしゃるし、実際に素晴らしい楽曲もたくさん生まれていると思います。
 ただ、誰でも簡単に発信出来る世の中だからこそ、生で観て体験する「ライブ」でいかに心を動かせられるかが、より如実になってきている印象もあります。

撮影/杉田裕一 [POLYVALENT]

 日本のライブシーンもいろんな技術が進化して、「派手」で「かっこいい」ライブはちょっと頑張れば作れるのかもしれないけれど、そこに立つアーティストの技量がくっきり浮き彫りになるので、演出過多なことが逆効果な場合もある気がします。
 作る側と立つ側の力量がイコールであること、観せる側と観る側の熱量がイコールになること、色んな奇跡が重なって感動が生まれる。流行り廃りではなく、「本物」が残っていく、怖くもあり神聖な場所です。
 この時代だからこそやりがいがあると私は思っていて、流行らせるための音楽、ではなく本当にいい音楽を本気で楽しんで表現すれば、絶対に世の中に届くんだ!って信じています。
 とくに振付という身体表現に関しては、粛々とトレーニングを積み重ね、その体に日々の想いを乗せて届ける世界。それは昔も今もそして未来も変わらないやり方をするしかないので、この時代だからこそブレず、音楽と向き合いたいですね。

明日の第二十回の質問は、「Q20.MIKIKOさんの演出観に影響を与えたアーティストは誰ですか?」です。