意外かもしれないが、「おしり」には、“腰を守る”という重要な役目がある。ここを鍛えて本来の機能を維持すれば、腰痛知らずの身体になれる!

腰痛防止のカギは〝おしり〟だった!

 腰痛の大きな原因のひとつは、背骨や股関節に無理な力がかかること。背骨や股関節はさまざまな「抗重力筋」と呼ばれる筋肉によって支えられ、外部の衝撃から守られているが、何らかの理由でこれらの筋肉が衰退すると本来のバランスが崩れ、慢性的な、あるいは突発的な腰の痛みを引き起こす。

 この、抗重力筋のなかでも、もっとも重要な働きをするのが〝おしり〟。臀部にある大臀筋だ。おしりの筋肉を活性化させることの重要性に注目し、独自の理論に基づいたエクササイズを提唱する松尾タカシさんはこう語る(『一個人』2016年12月号取材時)。

「大臀筋はもっとも大きな筋肉で、ほかの抗重力筋と相関しながら股関節や背骨を正しいポジションに固定し、歩行などの際にかかる衝撃から守っている、中枢ともいうべき存在です。大臀筋が衰えると姿勢が悪くなって不自然な負荷がかかったり、衝撃が直接及んだりして腰痛の原因となるのです」。

骨盤の前傾がおしり力アップの要

 おしり=大臀筋を鍛えるには条件がある。それは、骨盤を正常な位置に前傾させること。骨盤が直立、または後傾した状態ではいくらトレーニングをしても大臀筋に正しく負荷がかからず、空回りとなってしまうのだ。骨盤は同じ抗重力筋の「腸腰筋」の影響下にあり、腸腰筋を鍛えて活性化させることで骨盤を前傾させ、その状態で大臀筋を鍛えることが、腰痛防止につながる。

「日本人は遺伝的に骨盤が後傾しやすく、これが日本人に腰痛が多いことの原因となっています。でも心配は無用。腸腰筋、とくに骨盤内から直接繋がる腸骨筋を鍛えれば、年齢や性別に関わらず誰でも骨盤を前傾させることが可能です。骨盤が前傾するとおしりの筋肉がフル活用される本来の状態となり、簡単なトレーニングでおしり力が向上。腰痛と無縁の毎日が手に入ります」。

 松尾さんは、まず骨盤の傾斜の度合いや、大臀筋の筋力など、自身の状態をチェックすることを勧める。
「これらのテストをすれば、自分のおしり力がわかります。レベルが低い場合は自覚症状がなくてもすでに腰痛予備軍。効果的におしりを鍛えて、レベルアップに励みましょう!」。