昨年、芸人でありながら四国アイランドリーグで投手としてプレーをしたサブロク双亮(360°モンキーズそうすけ)。1シーズンを通して若い選手に混じって汗をかき、9試合に登板。防御率1.98の成績を収めた。
「NPB(日本プロ野球機構)でプレーをしたことがある選手と一緒に野球ができて、そして指導をしてもらえたことはかけがえのない経験」
 そう述懐するそうすけ。
 これは独立リーグの魅力のひとつでもある。
 例えばそうすけの所属した四国アイランドリーグは、河原純一(愛媛マンダリンパイレーツ監督/元ジャイアンツ、ドラゴンズなど)、西田真二(香川オリーブガイナーズ監督/元カープ)、駒田徳広(高知ファイティングドッグス/元ジャイアンツ、ベイスターズなど)らが現在、指揮を執っている。また、ヤクルトスワローズでプレーをし日本一にも貢献した加藤博人は、四国アイランドリーグのコーチから今年から新潟アルビレックスの監督となる。
 そうすけの著書、『最速123キロ、僕は40歳でプロ野球選手に挑戦した』には、加藤氏の証言がある。独立リーグの一面と、それに挑戦したそうすけへの思いを紹介する。

■忘れられない三輪正義の姿

 僕はリーグの発足時から四国アイランドリーグに参加させてもらっています。最初は香川オリーブガイナーズ、次に徳島インディゴソックス。途中、東京ヤクルトスワローズで2年間コーチをさせてもらいましたけど、その後もまた四国アイランドリーグに戻って愛媛マンダリンパイレーツのコーチをさせてもらったので、延べ9年をこのリーグにお世話になったことになります。
 その間、たくさんの人たちの情熱を感じてきました。立ち上げ時の石毛宏典さんの思い、所属する選手の思い、支援してくれる企業や自治体の思い……。発足時は、トライアウトに1600人も受けにきた。
 みんなそれぞれに夢を持って、夢に向かっていました。それは今も変わりません。
 忘れられない選手もたくさんいますが、今、ヤクルトで活躍している三輪(正義)選手は思い出深いですね。軟式野球をやっていた彼は、トライアウトを経て香川オリーブガイナーズに入った。小柄で人一倍努力家でした。今だから話せますけど、そのせいで近隣から苦情が出たこともあります。独立リーグは12月に給料が出ない。生活のためにアルバイトをしなければいけないから、なかなか練習時間が取れない。だから家のそばで夜に練習をしていたんでしょう。近隣から「夜に壁当てをしていてうるさい人がいる」と(笑)。自分の守るポジションを誰よりグラウンド整備していたこともよく覚えています。
 独立リーグはそういう夢を追う選手たちがたくさんいるんです。

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