脳は「正確」さよりも「確信」を

好むって知っていましたか?

 

 

AさんとBさんという二人の気象予報士がいたとする。

下の表は二人が4日間の降水確率を予想したものです。

実際に雨が降ったのは4日間のうち、3日間でした。

『脳はどこまでコントロールできるか?』(P79より)

 

さて、あなたは、AさんとBさんとではどちらが優秀な気象予報士に思えるでしょう?

実は、この問題は、「正確」さと「確信」のどちらを好むかを聞いた問題に他なりません。

4日間のうち3日間雨が降ったのですから、4分の3、つまり75%が一番正確な値であることに気づいたでしょうか?

正確さを重視するならば、「優秀なのはBさん」ということになります。

しかし実際は、半数の人がAさんと答えた実験結果が残っています。

つまり半数の人は「正確」さよりも「確信」に満ちた予報を好むという結果になったのです。

 

脳は二重のフィルターを使って決定を下す

実は、脳には二重の意思決定回路があるのです。

ひとつは、あらゆることに迅速に対応する「速いシステム」。

もうひとつは、論理的、理性的に判断する「遅いシステム」です。

普通は情報に対して迅速に対応するため「速いシステム」がメインに働きます。

わかりやすく言うと「直感的に」答えを導き出すのが通常です。

ただ、この「速いシステム」は迅速ですが粗っぽいので間違いを検出する作業が得意ではありません。

私たちの感覚とは、矛盾があっても一度は受け入れるという性質を持っています。そして、一度受け入れたのちに、「何かおかしいな?」とそれを検証するシステムが働き始めるのです。

ですから、確信に満ちた人の態度を見ると、一度は納得して受け入れてしまうのです。これは「速いシステム」が行っています。

次に「よく考えると何か変だぞ」と、あとになって感じ始めます。これは「遅いシステム」があとから検証をして、警告を発しているということなのです。

こう書いていくと「遅いシステム」がきわめて重要なシステムであることに気づかれたのではないでしょうか。

この「遅いシステム」を働かせていくには、心を落ちつけて自分を内省する時間を持つことが重要です。

時として忍耐力の必要な問題に取り組んだり、粘り強さが必要になるパズルに挑戦するなどして、「遅いシステム」が働く習慣を身につけるのが有効でしょう。