「田原さんは今もやはり、ばりばりの左翼だったんや」……単行本刊行から2年、当時は収録されていなかった百田尚樹氏による苦言。あれからどのような心境の変化があったのか。必読の一冊!

『永遠の0』の宮部久蔵、『海賊とよばれた男』の国岡鐡造に込められた国を想う気持ちとは!?  

 


 大東亜戦争から戦後の自虐史観、そして嫌韓嫌中問題まで。日本を取り巻く環境が激変していく中、日本人の国への想いがどのように変化してきたのか。 

   いまこそ問いたい「日本人はいかに日本を愛するべきか」。過激な言動で誤解されがちなベストセラー作家・百田尚樹の本心に、ジャーナリスト田原総一朗が正面から切り込んでいく。
 

【目次】

はじめに 田原総一朗

序章『永遠の0』をめぐって

50歳を機に、放送作家と異なる人生を歩こうと思った
親・自分・子どもの3世代で、戦争の話が断絶している
零戦パイロットたちの体験談から総合的に作ったキャラクター
戦争肯定でも反戦でもない。歴史に翻弄される男を描いただけだ
『永遠の0』は、右翼からも左翼からも叩かれる
狂言回しの若者二人は、戦争を学ぶ若い読者の代表
戦争はダメ、とは誰でもわかる。それを心に訴えるために書いた

第1章 大東亜戦争とはなんだったのか 

昭和16年夏に「日本は負ける」という研究結果があった
「勝つか負けるか」でなく、「やれるかやれないか」で戦争した
「軍部の暴走」というが、マスコミも国民も軍部を煽った
情報戦略も個々の戦術も、お粗末すぎる戦争だった
日露戦争を調べれば調べるほど、太平洋戦争の愚かさが浮き彫りに
装備では勝てない。そこを「精神力」で補った
せっかく南方の石油を獲得したのに、その後が話にならない
零戦を牛に引かせて30キロ離れた飛行場まで運んだ「時代錯誤」
天皇という存在は、日本にとってなんだったのか
昔もいまも天皇は特別で、戦前・戦後を通じて象徴的な存在だ
軍事力・財政力もなく「権力」を一切持たない王様は、世界に例がない
なぜ日本は戦争の総括ができなかったのか
日本は東南アジアを侵略したのか? 東南アジアで欧米と戦っただけだ
日本の侵略というが、欧米列強がやった侵略を遅れてやっただけ
満州事変から満州国に至る過程は、「中国」への侵略だったのか
国際連盟で否定された満州国を、実は英仏は認める意向だった
上海事変(支那事変)以降の日中戦争は大失敗だった

第2章 なぜ自虐史観が蔓延してしまったのか 

現在のややこしい問題は、すべて戦後の自虐思想に起因する
GHQが日本人に贖罪意識を徹底的に植えつけた
いまだに子孫たちが謝り続けなければ、というのはおかしい
戦後生まれの全共闘や全学連も、自虐史観を叫んだ
戦前の青年将校も、全共闘や全学連も「革命」に酔っていた
1965年にソ連に行き、共産主義に絶望した
団塊の世代や全共闘世代は「左翼」が流行のファッション
共産主義は一神教に近い。だから、恐ろしい粛清をしてしまう
対米従属で経済的に成功し、そこそこいい思いをしてきた
「シベリア抑留なんて昔のことを聞かれても困る」とゴルバチョフ
南京虐殺は、あったのか? なかったのか?
非戦闘員や捕虜の死者が1000人でも「なかった」とはいえない
中国兵も日本兵も、一般人に乱暴狼藉を働いていた
東京大空襲や原爆投下に怒らないのも自虐思想では
「真珠湾攻撃は騙し討ち」というが、アメリカが騙されたふりをした
太平洋戦争をやりたかったのは、日本でなくアメリカだ
70年もの間、戦後、戦後と言い続けてよいのか
A級戦犯を事後法で裁いた極東軍事裁判は、インチキ裁判か
A級戦犯たちは、自ら罪を買って出たのか
1985年より前は、中国は首相の靖国参拝を問題視していない
天皇はなぜ、靖国神社に行かないのか
B・C級戦犯は祀っていい、A級戦犯はダメという理屈が成り立つか
首相の靖国参拝が、中国にとって使えるカードになった
憲法前文に書いてある前提が、間違っている
憲法を改正して、第9条に「侵略戦争はしない」と書けばよい
言霊の国では、平和平和と唱えれば平和になるのか
テレビに氾濫する「美しき正義論」

第3章 韓国とどう付き合えばよいか 

ヘイトスピーチは、「日本の韓国化」の表れか
77年に韓国レポートを書いたら「田原はKCIAに買収された」
慰安婦問題が騒がれた90年代の初めには、宮澤内閣が謝罪した
海外の慰安婦像の撤去を求めても、「河野談話で認めているではないか」
河野談話は強制連行を認めている? 認めていない?
1998年には小渕内閣が「痛切な反省と心からのお詫び」
政権末期にレームダック化すると、必ず反日攻勢を強める
従軍慰安婦に占める朝鮮人の割合は2割前後
慰安婦たちは、軍人よりはるかに高給取りだった
朴槿恵大統領は親日派。父の朴正煕が岸信介にした頼み事とは
度胸も余裕もないから、安倍首相にそっぽを向いた
慰安婦像が各地に建つのは、日本の情報戦略がお粗末すぎるから
まず「すみませんが」という日本人。外国では通用しない
譲歩する必要はないが、外交には「必要な妥協」がある
韓国併合以後に善意でやったことが全部、裏目に出た
韓国は無視するに限るというが、それでは日本はすまない

第4章 中国とどう対峙するべきか

中国トップのメンツを丸つぶしにした尖閣諸島の国有化
中国外交トップと会った外務副大臣と外相・首相が大げんか?
「常時駐留なき安保」を掲げた鳩山由紀夫が、中国をつけあがらせた
「今後は歴史認識を持ち出さない」といった中国人ジャーナリスト
戦後日本の領土を決めたそもそもは43年の「カイロ宣言」
尖閣諸島の帰属に微妙な点はある。「時効」の問題も難しい
南シナ海では、中国はやりたい放題だ
アメリカは「尖閣諸島は日米安保第5条の範囲内」と繰り返し強調
尖閣諸島で、米軍は自衛隊を助けてくれるのか?
中国は、原潜を世界の海に配備して、核報復能力を備えたい
海軍力は海上自衛隊のほうが上。対潜水艦戦能力は世界トップ
高度成長の終焉とネットの普及が、中国のかかえる大問題
国内問題が難しいから、外に向かって強く出る
多民族国家の中国をまとめるには、共産党独裁しかない
情報戦争には勝つべきだが、同じ土俵まで下りてはならない
日中首脳会談を開いて関係改善
尖閣諸島は、ダラダラと交渉していればいい
 
第5章 朝日新聞は「反日」なのか

戦前の反省から権力を批判。権力者の仲よしも批判の対象
反権力のために捏造も辞さない。その姿勢が気にくわない
朝日新聞は歴史を知らず、現在の出来事も知らない
歴史を知らないにもほどがある
14年8月5日、吉田清治証言に基づく記事を32年ぶりに取り消した
朝日新聞の8月5日の検証記事には、問題が多すぎる
福島第一「吉田調書」の誤報にかこつけた、形だけの謝罪
秦郁彦の現地調査を無視した理由
事実より「キャンペーン」重視。だから裏を取らない
朝日には「捏造体質」がある。典型がサンゴ記事捏造事件だ
朝日新聞は、日本をよくしたいのか、日本を貶めたいのか
朝日新聞から提案や対案が出てこない理由
吉田調書の大誤報で、福島第一原発は「第二のセウォル号」に
朝日新聞の記者は、想像力があまりにも欠如している
なぜ吉田調書記事は謝罪して、吉田証言記事は謝罪しないのか
朝日の大きな欠陥は、優等生ばかりが集まりすぎていることだ
なぜ、朝日新聞の捏造記事だけがダントツに多いのか
ネットのおかげで反朝日的な意見に触れることができた
社内一斉メールは、パソコン画面の撮影によって社外に流出
読売や毎日まで、ここぞとばかり朝日新聞叩きに回るのは、おかしい
朝日は世界に広まった誤報を消す作業に全力を注ぐべきだ
社内でガンガン議論できる風通しのよい会社に変わるべきだ

終章 国を愛するとは

ソ連崩壊で民族・宗教紛争が一気に噴出し、収拾がつかない
戦略的に生きていく。日本人や日本国のことをまじめに考える
非正規雇用が4割近い。日本経済は大丈夫か
若い世代は「祖父母世代が頑張ったからこそ豊かなんだ」と知れ!
日本人であることを忘れたエセ・コスモポリタンが多すぎる
郷土と日本人を愛する。それが「愛国」だ

おわりに 百田尚樹

 【著者略歴】

田原総一朗(たはら そういちろう)
1934年滋賀県生まれ。 早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。東京12チャンネル(現テレビ東京)を経てフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』、BS朝日『激論!クロスファイア』の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数。 著書に、『日本の戦争』(小学館)、『塀の上を走れ 田原総一朗自伝』(講談社)、『変貌する自民党の正体』(小社刊)など。

百田尚樹(ひゃくた なおき)
1956年大阪府生まれ。同志社大学中退。『探偵ナイトスクープ』など人気番組の構成作家として活躍。2006年、『永遠の0』(太田出版)で小説家デビュー。本作品は講談社から文庫化され空前のベストセラーとなる。2013年に映画化、同年『海賊とよばれた男』(講談社)で、第10回本屋大賞を受賞。著書に『幻庵』(文藝春秋)、『カエルの楽園』(新潮社)、『雑談力』(PHP研究所)など。