血管内のコブを除去し
心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ

 「血管の老化を防ぐには腹式呼吸が非常に効果的なんです」と話すのはすぎおかクリニック院長の杉岡充爾さん(『一個人』2016年10月号取材時)。循環器の専門家だ。腹式呼吸が血管にいい理由は、内臓脂肪のコントロールと関係している。
 「内臓脂肪が増えると、中の脂肪細胞が大きくなり、アディポサイトカインという悪玉物質を大量に分泌して、血管にダメージを与えてしまうんです。逆に内臓脂肪を減らせば、脂肪細胞は小さくなり、血管を修復するアディポネクチンという善玉ホルモンが出てくる。そのため腹式呼吸によって内臓脂肪をコントロールすることで、血管を健康な状態に維持できるんです」。

 悪玉のアディポサイトカインが怖いのは、血管の内腔に〝プラーク〟というコブをつくってしまうことだ。高血圧や動脈硬化を進め、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす原因となる。
「多くの方は、中性脂肪やコレステロールが増えると、それらが血管にくっついて内腔が狭くなるというイメージを持っています。それ自体は誤りではないのですが、アディポサイトカインはもっと直接的に悪さをして、血管内にプラークをつくってしまう。一方、善玉のアディポネクチンはそのプラークをショベルで剥ぎ取るように除去して、血管の掃除をしてくれるんです」。

 そこでアディポネクチンを増やす腹式呼吸が大切になるのだが、どういう方法がベストなのだろうか。杉岡さんが勧めるのは、複式呼吸をさらに効果的にする「せき出し呼吸法」だ。
「いろいろな腹筋があるので、上中下と分けて鍛える部分を意識しながら行います。息を吐く際、お腹を思いきり凹ませて、しっかり空気を出し、最後にせきをして出し切るようにします」。

 ぜひ一度、試してみてはいかがだろうか。