日本海軍 航空母艦「赤城」

前回はこちら:無敵の日本海軍機動部隊が、アメリカ軍空母との決戦に挑む!
 こうしてミッドウェー作戦は決定した。もちろん4月中旬に行われた、ドーリットル部隊による東京空襲も、この作戦を後押しする形になった。空母こそ、海戦の勝敗を決定するという認識が明確に示されたと言い得る。真珠湾で太平洋艦隊の戦艦群をつぶし、珊瑚海とミッドウェーで空母機動部隊を撃滅する。これこそ太平洋の覇権を握るための必須の条件であった。
 加えて日本海軍は作戦に投入できる空母の数においても、圧倒的に有利と考えていた。この理由の一つは5月の珊瑚海海戦で、大型のレキシントン、ヨークタウンを撃沈したと思いこんでいたことだ。ところが実際には、後者は中破程度の損傷だった。となれば最大でもアメリカ海軍が出動させ得る空母は、エンタープライズ、ホーネットの2隻のみ。かたや日本海軍は最強の空母4隻赤城、加賀、蒼龍、飛龍を差し向けることが可能であった。

 たしかにミッドウェー島の陸上機はある程度の脅威とも言えるが、総合戦力では圧倒的という判断が、山本の脳裏にあったに違いない。山本のみではなく日本海軍全体が、これまでの勝利に酔いしれ、油断は各所に現れていた。攻撃目標がミッドウェーであることは、広く噂として流れ、そのことを誰も気にしていない。本来ならあと2隻の空母(隼鷹、龍驤)を投入できるのに、これらは北方の作戦に回されてしまう。また戦艦大和、長門などからなる主力は、はじめから戦闘に参加する気はなく、乗組員たちへの戦時手当の支給を目的に形だけ出動する。

 一方、アメリカは必死でミッドウェーを守るべく全力を傾ける。まず情報戦に力を入れ、日本側の目標がこの島であることを知る。日本海軍の上層部は、この事実に全く気付いていなかった。また、空母ヨークタウンを昼夜兼行で修理にかかっていた。だが、損傷個所は大きく、結局は工員を乗せたまま戦場に向かい、その間も修理を続けた。このような状況下、日本軍機動部隊によるミッドウェー島への攻撃がはじまった。