コピーライター 

小西利行さんの書棚。

 大貫卓也、佐藤可士和、箭内道彦…すべて、博報堂出身のクリエーターだ。小西利行さんも、そのひとり。ハウス食品『こくまろカレー』のネーミングに始まり、日産『セレナ』のキャッチコピー「モノより思い出。」など、在籍時より手掛けた広告は500本を超える。しかし、「入社するまでは広告に興味がなかった」というから驚く。

 

「本当は都市開発の仕事がやりたかったんです。でも、電博(電通・博報堂)は難しいと聞いたので、試しに…と受けてみたら面接で不合格。あまりに悔しいから受け直しました(笑)」

 

 入社後はマーケティングを希望するが、上司からその素養はゼロだと言われ、クリエイティブ部門に配属された。

 

「正直、補欠でした。しかも、優秀な人材が集っていた泉屋政昭さんのチームに入ったものだからまったく使いものにならない。そんな時、ふと手にしたのが『エースをねらえ!』です。主人公の岡 ひろみと自分があまりにもシンクロし過ぎて、夜中にひとりで嗚咽しました」

 

 

 ご存じスポーツ少女マンガの金字塔。

 

「天才に憧れていたんですよ。長い助走を経て飛ぶ瞬間、そのきっかけみたいなところを読んでワクワクしてました。でも自分は決して天才じゃない。そう思うと肩の力が抜けて…。そこからは出す企画が通るようになり。入社して2年くらい経ったころに『こくまろカレー』が採用されたんです」