■不安要素が指摘される侍ジャパン

 2勝3敗。過去3大会を振り返っても、強化試合で負け越してWBC本大会に臨むのは今回が初めてである。
 ボールとマウンドの対応。投手継投。正捕手不在。固定しない打順……。世論はここぞとばかりに不安要素を列挙する。
 ただし、早急に解決できそうな問題もあることはある。それは主砲の立ち位置だ。

 

 小久保裕紀監督がこだわる4番。その重責を担うDeNAの筒香嘉智は、強化試合5試合全てに4番で出場したものの、15打数3安打4打点5三振と精彩を欠いた。低調なパフォーマンスは問題視されても仕方がないが、それ以上に気になる数字があった。
 15分の6。
 筒香がセンターより逆方向に放った打球の数である。三振を除けば、3本の安打を含め、実に半分以上が逆方向なわけだ。ここにこそ、4番としての役割の不透明さが表れている。
 本来、筒香は広角に打ち分けられるタイプの打者である。したがって、打球方向だけを指摘するわけにはいかない。問題は長打だ。本塁打ゼロ、二塁打1本という強化試合での結果が示しているように、筒香は軽打に終始していたような印象すら受けてしまう。
 小久保監督が4番に求めているのは、そういう打撃ではないはずである。

 2013年に侍ジャパンの監督に就任し、初陣となった11月の強化試合から、小久保監督は日本ハムの中田翔をほぼ4番で固定してきた。
 この事実が意味するものこそ、長打である。小久保ジャパン発足から内野守備・走塁コーチとしてチームを支えてきた仁志敏久が、「4番らしい4番が据わることで打線が引き締まる」と言ってきたように、一発が打てる選手とは、ひと振りでゲームの流れを変えられる魅力があるわけだ。今回のWBCで、中田ではなく筒香を4番に据えたのは、それだけ彼の長打に期待している証拠である。
 無論、筒香にもその力が備わっている。昨季は44本塁打、110打点で二冠王。打率だって3割2分2厘をマークした。筒香のひと振りによって大勢が決した試合だって少なくない。DeNAが初のCS進出を果たせた一番の要因は筒香だと言って間違いないだろう。
 シーズンでは圧倒的な数字を残した。それだけに、強化試合で見せた軽打であり、逆方向への打球が多かったことに対して、物足りなさを感じているわけだ。
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