軍神上杉謙信の後継者としての重責を担い、織田・豊臣・徳川という時代の転換期を乗り切った上杉景勝。二度の転封にも屈せず、米沢上杉家270年の礎を築いた男の真の素顔とは?

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 今月の6日に発売された歴史人4月号では上杉謙信を大特集している。その中では、前回の大河ドラマ「真田丸」で俳優の遠藤憲一氏が演じて人気になった謙信の養子の上杉景勝に迫る記事もある。

 謙信の側で養育されて育った景勝は、謙信のカリスマを受け継ごうと努力したこともあって、謙信以上に”義”を大事にする男として成長していった。
 景勝の実の父・長尾政景は謙信の重臣によって殺されたという疑いがあるにも関わらず、景勝はこの事件について、「天の罰」であるとして謙信に反抗しようとした父の不義を断じ、謙信を恨むどころか父の罪滅ぼしのために命がけで働こうと言い切ったという。

 また、こんなエピソードもある。謀反を起こした新発田家との戦いの中で、敵が兵糧不足で悩んでいると聞くと「剛健な敵を破ってこそ勝利が心地良いのだ」と言って、新発田城内に米を贈ったというほど敵の弱みにつけこむことを潔しとしなかった。その剛毅ぶりだから、家臣団が畏れ敬い、みな景勝について団結していったのだ。