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頭は悪くないのに、仕事ができない──。

 そんな残念な人には「口ぐせ」があった! 口ぐせには、その人の持つ残念な「モノの見方」や「考え方」、「心の持ちよう」が潜んでいる。したがって口ぐせとは、その人の頭の中そのものだと言っていいだろう。
 本書では、そうした口ぐせを、
 ■問題解決ができない
 ■視野が狭く想像力がない
 ■決断も実行もできない
 ■マネジメント能力がイマイチ
 ■誠実さに欠ける
 ■協調性、ナシ
 の6つのタイプに分けて、「仕事ができる人は、絶対に使わないフレーズ」としてピックアップ、分析した。
 まずは、本書に掲載の口ぐせがないかをチェックしていただき、ひとつでも当てはまれば、その奥に隠れた心理を分析してほしい。口ぐせが直れば、必ず行動も変わる。
 同様に、そんな残念な口ぐせを持つ、上司・部下への対応策にもなる。
 口ぐせががわかれば業務がスムーズになり、業績が上がる、そして人間関係もうまく行くのだ。


例① ────「ここだけの話だけど」

マイクをつけたヒソヒソ話は要注意

◆重要感を演出するのは逆効果

 ちょっとした打ち合わせや飲み会の場で、「ここだけの話ですが」という人がいる。
 ここだけの話をすると、たいていは本人の意図に反して信用を失う、損をするといった結果につながる。
 たとえば、他人に関する秘密の話や、有名人との付き合いの中で生まれたエピソード(おそらくその有名人は人に知られたくないであろうもの)を「ここだけの話」としてバラす人には、自分の「ここだけの話」はできない。
 秘密をバラす人は、バラす相手から信用を得たいから秘密をバラす。自分は価値のある人間だと思ってもらいたい、相手の知らない情報を知っている、あなただけに話すという相手に対する重要感を演出したいのだろうが、逆効果だ。
「この人は秘密は守れない」と思われるだけである。
 信用を得る人は、あらゆる秘密を絶対に守る。どんな些細なことであっても、自分の胸にとめておく。
 また、自慢げに秘密を話すと、信用だけでなく実損をこうむることもある。
 野球解説者(肩書き確認)の野村克也氏のエピソードだ。野村氏は、現役の頃に西鉄ライオンズのエースであった稲尾選手の球がどうしても打てなかった。そこで、稲尾選手のピッチングをネット裏からフィルムにとってそれを擦り切れるほど見た。すると、球種によって手元からのぞくボールの白い面積がほんのわずかだが違っていたのに気付いた。それから、稲尾選手を攻略できるようになったそうだ。
 ところが、そのクセを同じチームのピッチャーにこっそり打ち明けたところ、彼が稲尾選手に「野村はよく研究しているよ」と言ってしまった。その後、しばらくすると稲尾のピッチングからその癖がすっかり消えていたという。
 
 逆に、好感度を高める「ここだけの話」もある。それは、自分の秘密を話すことである。それも、どちらかというとあまりよくない話、失敗した話である。
 自分の失敗を話すのはとても勇気がいる。その勇気を持つためには、心に余裕があり、ある程度自分に自信がなければならない。加えて、その失敗はすでに自分の中で解決されている必要がある。
 しかし、いずれにしても、そうした秘密を話してもらった人は、あなたに好感を持つ可能性が高まる。
 
 野村監督も、こんな失敗談を我々にあけっぴろげに教えてくれることが、多くの人から好かれる秘訣なのではないかと思うのだ。

◆山崎将志(やまざき・まさし)
ビジネスコンサルタント。1971年愛知県岡崎市生まれ。1994年東京大学経済学部経営学科卒業。同年アクセンチュア入社。2003年にアクセンチュアを退社し独立。プロフェッショナル開発の知識工房、事業再生コンサルティングのアジルパートナーズをはじめ、数社の新規ビジネスを開発。なかでも2011年にイオングループの傘下に入った『カジタク』は業界トップクラスの規模にまで成長した。2010年4月に出版された『残念な人の思考法』(日本経済新聞出版社)が34万部のベストセラーとなり、著書累計発行部数は100万部を超える。2016年よりNHKラジオ第2『ラジオ仕事学のすすめ』講師を務める。