先祖探しのワクワク感はまるで上質のミステリー 

 明治時代の戸籍が手に入ったら、その先は好奇心と行動力をフルに働かせよう。それ以前の転籍情報が記載されていなければ、江戸時代から同じ本籍地に住んでいた可能性も高い。旧本籍地について調べ、できれば現地に足を運ぶといろいろなことがわかってくる。
「よくこんな古い資料が残っていたと、驚くことも多いですよ。古文書や郷土史を調べたり、同族の人や先祖のお墓を探したり、思いつくことを片っ端からやりましょう。礼を尽くしてお願いすれば、皆さん思っていた以上に協力的です。依頼者のなかには、遠い親戚と出逢って交流している方もいます」。

 定年後の趣味として、夫婦で旅行がてら、自家のルーツを解き明かしていくのもおもしろいかもしれない。
「先祖探しには、さながら上質のミステリーを読み進めるようなワクワク感があります。何しろ自分が主人公なのだから、それ以上の楽しみでしょう。ただし、先祖が立派な家系だったとは限らないし、思っていたより貧しい暮らしであったかもしれません。でも、『こんなに苦労して、命をつないでくれたんだ』と知ることで、感謝の気持ちや生きる意欲もわいてきます」。

 時代や地域によっては、先祖が歴史上の大事件に遭遇していた可能性もある。そう考えるとドラマチックではないか。今の時代は大変だといっても、先祖が生きていた時代に比べたら、どんなに平和で豊かな世の中だろうか。
「もし期待していたほどの成果がなかったとしても、それぞれが心の中で何かを感じることができたら、先祖探しの意味があるのではないでしょうか」。

★Step1 自家の戸籍をさかのぼる
 明治時代から連綿と続いている戸籍は、公文書という最も信頼できる書類であり、誰でも確実にルーツをたどれるものだ。最新の戸籍から、可能な限り古い年代までさかのぼって自家の戸籍を取得しよう。

★Step2 旧本籍地にアプローチする
 取得できた自家の最も古い戸籍の本籍地は、先祖探しの鍵を握る。地名辞典で本籍地の自治体の変遷を確認し、その自治体が製作した郷土史を探し出せば、先祖の暮らしぶりに触れることができる。

★Step3 史料をたどる
 重要な史料は、市区町村の図書館、歴史館、文書館、教育委員会などの行政機関が保管している。ときには、当時の庄屋や名主だった家が、現在でも個人所蔵している場合もある。諦めずに探そう。