頭は悪くないのに、仕事ができない──。そんな残念な人には「口ぐせ」があった! 口ぐせには、その人の持つ残念な「モノの見方」や「考え方」、「心の持ちよう」が潜んでいる。したがって口ぐせとは、その人の頭の中そのものだと言っていいだろう。新刊『残念な人の口ぐせ』の著者、ビジネスコンサルタントの山崎将志氏が、口ぐせとその奥にある心理を分析。残念な上司部下への対応策と業務がスムーズになり、業績が上がる、そして人間関係がうまくいくための方法を解説する。

■実感の伴わない励まし「期待してるよ」

~実は「イマイチ」だと思われている~

 

 これまで意外と反響が大きかったのが、この「期待してるよ」だった。

 言われた方はそのまま受け止め、せっかくいい気分でいたのに水を差されという人が多かった。

 一方、上司の側からは、「私も口にすることが多かったが、たしかに言葉どおりに本気で言ったことがあったかどうか」というのだから、私の分析は間違っていなかったのである。

 この「期待してるよ」は、上司が部下に何か大きめの仕事を依頼するときに使う。この言葉を真に受ける人も時にいるが、私はちょっと単純すぎるのではではないかと思う。

 上司が「期待してるよ」と言うときは、本当は不安なのである。必ずしも楽しみにしている、ワクワクしている、というわけではない。

「いままでの仕事ぶりには満足していないけど、次回はうまくやってくれよ」的なニュアンスが込められているということだ。

 親と受験生を思い浮かべてみると分かりやすい。

 100パーセント合格間違いなしの子どもを試験に送り出すときに「期待してるよ」とはまず言わない。

 しかし、いまひとつ成績が振るわない子どもにカツを入れるために、「期待してるよ」というのはわかる。

 あるいは仕事の場面では、部下が犯した失敗についてひととおり話し合い、部下が「すみません」と謝ったあとに、上司が「なに、たまたまだよ。次はちゃんとやろう。頑張って。期待してるんだから」などと励ますときに使う。

 しかし、ピカピカのエースが失敗したときには言わない。

 もし部下からイメージどおりの成果が出てくることを確信しているのであれば、単に「お願いします」「待ってます」と言うはずだ。

 くだけた感じなら「頼む!」もあるだろう。そう言われたら返事は「分かりました」となる。

 一方、「期待してるよ」の返事は「がんばります」だろう。

 前者の会話における返答は、明確なアウトプットを出すことを約束している印象があり、強い。

 一方、後者はただ「努力します」と答えているに過ぎず、弱い。

 もしあなたがいつも「期待してるよ」を言われているとしたら、上司があなたに関してイマイチだと考えている点を把握し、改善しよう。

 また、あなたが上司の立場で「期待してるよ」と言いがちなことに気付いたら、別の表現を使ったほうがよいだろう。

『残念な人の口ぐせ』より構成】