新型CX-5を360°動画撮影で試乗してきた。驚きだったのは、内装の質感アップではない。

 エンジン音だ。

 初代CX-5から続くマツダディーゼルエンジンのサウンドは、心地よいガソリンエンジンのサウンドとフィーリングに慣れた人にとっては耳障りなものだった。

 ガラガラという音は昔のディーゼルエンジンと変わらなかったし、回転数を上げて楽しいという思いには至らない。

 それが、新型CX-5になって、ほぼ「ガラガラ」しなくなった。

 少しずつ改良を重ねてきたので、すべてを知っている人にはわずかな変化かもしれないが、初代CX-5に乗っていた人が比べると、その差はディーゼル音からガソリン音になったくらい激しい。

 ディーゼル音の改良はナチュラル・サウンド・スムーザーという仕組みから大きく変化してきた。特に、2016年のアクセラディーゼルはナチュラル・サウンド・周波数コントロールも加わり、「心地よい」レベルにまで変化した。静かになっただけではなく、踏めば荒々しいスポーツカーのサウンドにもなる。このエンジンのファンが出来てもおかしくないような出来で、ボルボディーゼルもBMWディーゼルも、マツダと比べられると勝負にならない。

 アクセラから新型CX-5までのエンジンに、大きな改良はない。だが、遮音材や制振材の最適化、車の大きさや応答性の向上などが効いて、そのフィーリングはガソリン並になった。

 マツダのガソリンエンジンのフィーリングは素晴らしい。普段は静かだが、踏めばしっかり唸ってくれる。その振動は心地よく、小排気量であれば街中でぐっと踏んでも法定速度内で楽しめる。応答性はノンターボ自然吸気でディーゼルターボよりもいい。こんなに楽しいエンジンを持っているのに、マツダは広告展開ではほぼ、自社のガソリンエンジンを無視してきた。ディーゼル押し一辺倒だったのだ。

 ディーゼルエンジンはスカイアクティブという新技術群の目玉として売り出され、今ではスカイアクティブ=クリーンディーゼルエンジンと思っている人は多い。

 だが、VWのディーゼルゲートで煤問題は注目され、ディーゼルの問題が注目されてからはディーゼルをネガティブに捉える人は多くなっている。

 マツダのエンジン性能は欧州勢とは違うというのは事実だが、結局は度重なるリコールでオーナーたちを裏切ってきた。

 実際にデミオとCX-3のディーゼルの売り上げが伸びず、マツダは方向性を「バランス型」に変更しようとしている。CX-3はガソリンモデルがなかったから、今年追加されるかもしれない。

 そもそも最初に打ち出されたスカイアクティブエンジンはガソリンエンジンだった。それが何故、ディーゼル一辺倒になったのか。