石井琢朗です。これから少しずつですが、野球に対する僕の見方、考え方をこの連載で紹介できればと思います。
 野球にはたくさんのセオリーがあります。でもこうも思います。セオリーは裏があるからおもしろい。それをいかにうまく使えるかが勝負を分けることだってあるんです。

■.1「つなぎ」の打線はどこから生まれたか

「つなぎ」
 文字通り線にしたい、「打線」の話です。今回、編集部からいただいたテーマが「打線」。質問をそのまま載せるとこんな感じです。

『カープは打撃陣が強い。「強力打線」に相応しいと思うのですが、かつてプロ野球を席巻したジャイアンツの四番打者クラスがずらっと並ぶ打線や、ファイターズの「ビッグバン打線」、近鉄の「いてまえ打線」とは違う「強力打線」に見えます。打撃コーチとして「打線」についてどう考えているでしょうか』

 

 僕のイメージは「つなぎ」という言葉が表すそのままで、単発的に打つのではなく、流れを持った打線です。選手にはそれぞれ役割があって、それこそ打順が分かりやすくて1番は「出塁する人間」、2番は「つなぐ、送る人間」、3番は「返す人間」……っていうのが昔からある。あるのかもしれないですけど、それって結局、初回だけですよね。回を追えば、4番であってもチャンスメイク=出塁する人間にならなきゃダメですし7、8番でもポイントゲッター=返す人間にならなきゃいけないわけです。

 じゃあ何が大事かというと、いかに後ろにつなげられるか、後ろに、後ろにどんどん回していくことだと思っています。僕の場合は9人全員が3番打者タイプであることが一番の理想。チャンスメイクもできるし、ポイントゲッターにもなれるし、なおかつ足を使えれば……ってそれはないものねだりなんですけど。これって誰でもそう思うのかもしれませんけど、僕は4番が9人いるんだったら3番を9人並べたいタイプ。
 これは僕の中で1998年からのベイスターズがベースになっているのかもしれないですね。「マシンガン打線」と呼んでもらったあの打線(編集部注①1999年にはシーズン打率.294をマーク。プロ野球記録となっている)です。去年4番に(ホームランバッタータイプではない)ルナを起用したというのもそんな表れといえます。

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