もらった給与をどのように使うべきか。この春、初めて自分の給与を手にするフレッシュマンから将来を考えるベテランまで、誰もが頭を悩ます問題だろう。ライフネット生命会長・出口治明氏は、「金融業界では常識だが…」と前置きした上で、「財産三分法」を提案する。

給与の手取り分を「財布」と「投資」と「預金」の3つに分ける

 

 給与は自分の労働の対価ですから、誰もが有効に使いたいところですよね。そのための大原則となるのが「財産三分法」です。

 これは金融業界では常識になってはいるものの、一般社会では、意外とご存じない方が多いかもしれません。

 財産三分法の考え方はいたって簡単。給与の手取り分を「財布」と「投資」と「預金」の3つに分けるというものです。

 まず、財布に入れておくのは、その日の衣食住に使うお金、趣味や遊びに使うお金、美容代など、日常生活を送る上で必要なお金です。

 つまり、その日に必要なお金ということですが、毎日お金をおろしに行くのもめんどうくさいので、だいたいの人は数日から1週間分くらいを財布に入れていると思います。

 次に、2つ目の投資は、自分にとって“なくなってもいいお金”です。

 投資といっても、株や投資信託などの金融商品にとどまらず、自分の能力を高めるために語学や資格などを勉強する自己投資でもいいですし、気になる異性へのプレゼントだって投資の一つになるでしょう。

 たとえば手取りがひと月20万円だった場合、毎月どれくらいの金額で生活ができるでしょう。もちろん人それぞれだとは思いますが、実際に自分で計算してみて、もしそれが18万円だとしたら、残りの2万円を“なくなってもいいお金”として捉え、投資に充てるわけです。

 なくなってもいいと決めていますから、仮に失敗したとしても生活に響きませんし、後悔する必要もありません。逆にうまく行ったとしたら、それなりのリターンが見込めます。それが投資の概念です。

 そして、給与の手取り分から財布と投資の金額を引いた分は、3つ目の預金に回しましょう。

 預金は、必要なときにすぐに引き出せることを前提とした流動性の高いお金です。つまり、ここで言う預金は、金利が比較的高い定期預金ではなく、普通預金のことです。今の日本では高い金利水準は期待できませんが、もしリターンを望むなら、投資のほうで考えればいいのです。

 預金は、家賃や水道光熱費、携帯電話の料金などの固定費の引き落としにも使われますが、基本的には、財布の中身を補充したり、残った分を貯蓄とすることを目的としています。

 このように財産三分法は、給与の金額や仕事の内容などとは特に関係ありませんので、誰もが使える大原則と言えるのではないでしょうか。

明日の質問は「Q.6 財産三分法の一つ「財布」に入れたお金を使うときの考え方は?」です。