ゼロ金利、マイナス金利時代にあって、もう銀行は頼りにならない。ではどうするか? ライフネット生命会長・出口治明氏は「投資」をすすめる。財産三分法における「投資」の役割と捉え方。

投資は長い目で見て、じっくりと対応していくことが求められます。

 お金を殖やすことは、財産三分法で言えば「投資」に当たります(他の2つは「財布」と「預金」)。毎月の給与の手取り分の中から、自分にとって“なくなってもいいお金”を元手にするというものですね。

 確かに、一昔前は預金が金利の高い金融商品として機能していたときもありました。長期金利が8%に達したこともあり、「ゴールデンエイト」と呼ばれたものです。

 資産運用の世界では「72のルール(72÷金利=元本が倍になる年数)」という基礎的な法則がありますが、これに当てはめると「72÷8=9」となります。つまり、かつては100万円を預金したら、わずか9年で200万円になっていた。そういう時代があったのです。

 ところが、今や長期金利は0.01%くらいですから、「72÷0.01=7200」! なんと、元手が倍になるのに7200年もかかるわけです。

 今後もゼロ金利やマイナス金利が続くとしたら、預金はあくまでも「金庫の代わり」と捉えたほうが無難でしょう。これは積み立て式の保険にも同じことが言えますね。

 そう考えると、お金を殖やすためには、やはり「投資」しかありません。では、なぜ投資をする必要があるのでしょうか。

 たとえば、日々の生活で使えるお金を殖やすとしたら、毎月入ってくる給与などのお金を殖やすか、生活を切り詰めるしかありません。

 給与が急に上がることはないという現実を踏まえると、後者を選ぶ人も多いことでしょう。ただ、短い期間ならまだしも、もしそうした状況が一生続いていくとしたら、ジリ貧になりかねませんし、気が滅入ってしまうのではないでしょうか。

 そんなとき役に立つのが投資です。

 財産三分法における「投資」とは、“なくなってもいいお金”を相対的に高いリターンが見込めそうな商品に投じることです。

 1しかなかった価値を3にも5にも、さらには10の価値にまで高めることを目的としています。

 もちろん投資は確実に儲かるものではないのは事実です。

 ただ、なくなってもいいと決めた範囲内でお金を使うわけですから、大きく損をすることもありませんし、損をしても後悔する必要はありません。

 その範囲を超えて、ハイリスクの金融商品に手を出すようなことさえしなければ、投資は決して怖いものではないんですよね。

 さらに、投資は結果がすぐに出るものではありません。長い目で見て、じっくりと対応していくことが求められます。

 だからこそ、投資を始めるなら早い方がいいと思いますね。

明日の質問は「Q.10 投資ビギナーが金融商品に投資するうえでのアドバイスはありますか?」です。