古の名将が崇敬した
浅間大社と富士の眺め

 日本一の名峰・富士山を望めるビューポイントは数々あるが、静岡県富士宮市から見る富士の美しさは格別だ。西南麓に広がる市街地のほぼ全域から富士の姿を眺められ、特に南麓から見る最高峰地点の剣ヶ峰の姿は息を呑むような優美さを誇る。
 その美しさはもちろん、太古より噴火を繰り返した活火山でもあることから、人々は富士に神が宿ると考え崇拝してきた。

 富士山信仰と密接に関わる「富士山本宮浅間大社」は富士山をご神体とする全国1300余の浅間神社の総本宮だ。
 大同元年(806年)、平城天皇の命により坂上田村麿が現在の大宮の地に社殿を造営して以来、多くの権力者が大社を訪れた。富士の巻狩りの際、源頼朝が奉納した流鏑馬は、毎年5月に開かれる流鏑馬祭として今に伝わっている。
 戦国時代には武田信玄と勝頼親子が神領の寄進、社殿の造営を行うなど武将たちが浅間大社に深く関わった。その武田氏を滅ぼした織田信長は甲斐から安土へ引き揚げる際、浅間大社付近から富士を眺めたといい、その際に腰掛けた富士見石が残る。信長の後に天下人となった豊臣秀吉は社領を安堵し、徳川家康も「関ヶ原の戦い」の勝利の御礼として社殿の造営などを行った。

 古の名将たちも仰ぎ見た富士宮市からの名峰の眺め。その雄大さを体感してみてほしい。

富士宮市から見た富士山……富士山西南麓に広がる富士宮から見る富士山。数多ある富士登山口のうち、富士宮口は表の玄関口として名高く、山頂には浅間大社の奥宮が鎮座する。
富士山本宮浅間大社と信玄桜……武田信玄・勝頼親子は富士山への信仰が篤く、特に浅間大社を崇敬し、神領の寄進、社殿の造営などを行った。境内にあるしだれ桜は信玄の寄進とされ、「信玄桜」と呼ばれる。
紅糸威最上胴丸……武田勝頼が奉納した具足(胴丸)。武田氏の当主が所用していた大変貴重な甲冑。最上胴と呼ばれる形式だ。
備前国長船住景光……室町時代の作で武田信玄の奉納と伝わる刀。江戸時代の書籍である『集古十種』にこの太刀の存在が掲載されている。

 

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