「人・本・旅」で生きた知識を手に入れ、リテラシーを高める。ライフネット生命会長・出口治明氏はリテラシーとは「ホントとウソを見極める能力」だと言う。メディアが送るメッセージに騙されないために、日頃からの積み重ねが重要だ。

リテラシーとは「ホントとウソを見極める能力」

 

 昨日もお話ししましたように、僕のこれまでの経験上、「人・本・旅」は非常に大切な自己投資の一つだと考えています。

 たくさんの人と会い、たくさんの本を読み、いろいろな場所を旅すると、世の中には、これほどまでに素晴らしい場所があり、素晴らしい人たちが存在するのかということを、肌で感じることができます。

 さまざまな知識を得ることは、当然、自分自身を賢くすることにつながります。

 それによって、どんなメリットが生まれるのかというと、リテラシーを高めることができるんですよね。

 リテラシーとは、自分が持つ知識の中から必要なものを取り出して、うまく活用する力のことです。日々生活していくうえで、常に高めておきたい「ホントとウソを見極める能力」とも言えます。

 では、もしリテラシーが低いと何か問題があるのでしょうか?

 

人々の意識というものは、社会の常識や雰囲気に影響を受けやすいものです。日本人の場合、特にメディアに対してその傾向が強く、メディアが発信することを鵜呑みにしてしまうことが多いようです。

 たとえばお金の話題にしても、将来の年金や貯蓄、保険などについて、メディアで不安を煽られれば煽られるほど、人は不安を感じてしまう生き物ですよね。自分の頭で考えず、そこで提案された解決策にあっさり飛びついてしまう人も多々いることでしょう。

 ただ、なぜ不安を煽る人がいるかと言えば、消費者の行動の先に、儲かる人が存在するからです。

 メディアを通して情報を発信したい人たちには、当然、成り立たせないといけない彼らの商売があります。つまり、そのための方法を実践しているというわけです。例えば、60才までに何千万円貯めないと大変ですよというメッセージの裏には、金融商品を売りつけたい人がいるのです。

 もちろんすべてのメディアに当てはまるわけではありません。ただ、そうした一面があるのは事実。そこで騙されてしまう一般市民が数多くいることもまた、事実なのです。

なぜ騙されてしまうのか。それは、残念ながらリテラシーが低いからです。

 だからこそ、知識を豊富にし、リテラシーを高めるしか対抗手段がない。僕たちにとって、知識は生きるための大きな武器になります。

 そのうえで、「ホントとウソを見極める」ためには2つのステップを踏むことが不可欠です。

 1つ目は、政府や信用の置ける民間の調査期間が集計・分析したデータ(数字・ファクト)を探すこと。

 2つ目は、そのデータをもとにしてロジック(論理)を組み立てることです。

 こうした習慣をつけられれば、メディアが煽る不安も怖くなくなりますし、騙される側から解放されることでしょう。

 ぜひ皆さんには、日頃からリテラシーを高めていってほしいと思いますね。

明日の質問は「Q.14 高いリテラシーによって、メディアが煽る不安を解消できる具体例は?」です。