教師にとっても生徒にとっても大きな負担となりつつある「部活動」。昨今、その活動時間の長さが問題視されつつありますが、今後どのように改善していくべきなのでしょうか。『2020年からの教師問題』(ベスト新書)の著者・石川一郎先生にお話を聞きました。


◆ようやく問題となり始めた、活動時間の長さ

 学校における部活動の問題性に、この頃ようやくスポットが当てられるようになりました。

 

 教員の勤務時間の長さは目に余る様相となってきていますが、中でも大きな負担となっている業務に、部活動が挙げられます。公立中学校の先生の場合、長い人は平日だけでも一日2時間、計10時間を部活動に割き、その上休日にも5時間程度指導に当たったりするので、週に15時間も費やしているような現状です。もちろん、どのくらい積極的に活動に参加しているかは千差万別でしょうが、負担であることには違いない。これでは、「ブラック部活」などと言われても仕方ないでしょう。

 文部科学省による教育改革が推し進められ、「知識の習得」を中心とする従来の学習から「知識の活用」を目標とする学習スタイルへと速やかな転換が求められている今、教師がより時間をかけるべきは「授業」であるはずですし、実際に「授業」に労力をかけざるを得ない状況になりつつあります。
 このままでは、教師は業務に追われて疲弊するばかりです。部活動に割く時間を削減していく必要があるのは明白ですが、どうすればそれが可能なのでしょうか。

◆地域を巻き込んだ部活動の運営を

 私の理想は、「地域」の協力を仰ぐことです。今まで顧問の教師が見てきた活動を、地域住民の手に委ねれば良いのではと思っています。
 今の時代、退職をしてなお元気なシニア世代は大勢います。その中には様々な経歴を持った人たちがいて、一つの重要な資源となる可能性があります。この層が学校の部活動もとい、生徒たちの種々の課外活動をサポートするのです。

 メリットは、地域、生徒、教師それぞれにあります。まず地域のメリットとしては、第二の人生、第三の人生を生きるシニア世代の“やりがい”を作るきっかけになります。また、地域活性化の一助にもなるでしょう。
 生徒たちからすれば、自分が没頭できる何か、熱中できる何かを、学校の外で持つことができます。学校以外の場所で仲間ができる機会にもなり、学校の外にネットワークを持つことができる。このことが与えるメリットは相当に大きいでしょう。学校でも家でもないところに、居場所をもたらしてくれるかもしれないのです。
 教師は言わずもがな、業務が減ります。部活動に費やしていた時間を、授業準備のためのインプット作業に使うこともできるでしょう。そういう意味では「三方良し」なのです。

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