テレビの鑑定番組で高値の評価がされることも多い、骨董品や昔のおもちゃ。中には1点数百万円で落札されるものも。このような収集品は、相続の際どれくらいの価値がつくものなのか? 相続したほうが得なのか? ソボクな疑問に、東京永田町法律事務所代表・長谷川裕雅さんが答えてくださいました。

驚くほどの高値で取り引きされる骨董品やおもちゃ

高値での取り引きが珍しくない昔のおもちゃ。相続する「財産」となれば、話は別……?

 机の引き出しの中にE.T.のキーホルダーを見つけました。小学校低学年のころに母と観に行った映画ですが、日本中が感動の涙を流していたと記憶しています。
 もともと雑に塗ってあった塗装が剥げかけていて、透明のプラスチック球に入った黒目がキョロキョロと動くだけのガラクタですが、今でも私の宝物です。こんなおもちゃが高値で取引されているとのこと。
 テレビ番組「開運!何でも鑑定団」を観ていると、日本のアニメキャラクターの超合金に、保存状態によっては、何十万円もの高値がつくこともあるようです。箱やノベルティが完備されていたり、シリーズ物がすべて揃っていたりすると、値段がさらに上がります。
 実家には調合金のおもちゃがたくさんあったのですが、いつしかゴミとして捨てられたのでしょう。ひょっとしたら、中には貴重なものもあったのではないか……とも思い、残念な気持ちになります。
 ブリキのおもちゃ博物館館長で玩具コレクターとして知られる北原照久氏は、20代から40年以上にわたってコレクションをしているそうです。数百円で買ったものが700万円で落札されることもある世界だそうで、資産総額100億円という噂もあります。これほどの収集品を相続する際は多額の相続税を払い、遺産分割では相続人全員が取得を希望してモメにモメるのではと思われる方も多いでしょう。

 
 

 

実際は時価よりもだいぶ低評価

 ところが実際に相続税の申告をするときには、コレクションは時価よりもだいぶ低く評価されることがあります。
 例えば相続税を計算する際の土地評価は市場価格の約8割が一般的です。コレクションなどの骨董品は、遺産分割の際に鑑定を依頼して評価しますが、この鑑定が先ほどのテレビなどで示される市場価格とは違う基準で評価されるのです。
 カビが生えていたり傷があったりと、減点ポイントが積み重なると、美術年鑑などに載っている評価よりも大幅に下がります。したがって、実際の遺産分割では、骨董品がテレビ番組やオークションで付けられる市場価格で評価されることはほぼないのです。

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