「浦和のサッカー」の強さと脆さ

 AFCチャンピオンズリーグ、セカンドレグで見せた浦和の大逆転は、もしかするとこのチームにとっての大きなターニングポイントになるかもしれない――そんな予感をさせた。

 あと一歩のところでタイトルを逃す。浦和レッズに定着したイメージだ。
 昨シーズンこそルヴァン杯を制し、ペドロヴィッチ体制初の栄冠を手にしたが、年間勝ち点1位でありながらそしてチャンピオンシップのファーストレグを勝利で収めながら、セカンドレグで逆転を喫し王者になれなかったあたりは、ここ数年の「あと一歩の浦和」を象徴していた。

「一歩」は、これほど遠いものか。

 そう思わせるのは、相手を圧倒する攻撃的なサッカーと、大一番における「その」脆さからだった。シーズンのほとんどでは「浦和のサッカー」は脅威だった。主導権を握り、ボールを支配し、ゴールに迫る。1点を取れば、2点目を目指し、1失点すれば2点を返す。つねに攻撃の手を緩めないサッカーは魅力的だ。ただ、「あと一歩」という残酷な結果が示す事実は、タイトルを決める大事な試合で勝利を掴みきれない、それも「浦和のサッカー」だったということだ。

 

 いつものように(と言っては失礼だが)「雪辱」を期して臨んだ今シーズン、リーグ戦では上位をキープし、ACLではグループリーグを突破した。波はあれど、好調を維持しているといえるだろう。

 ただ、選手にとっても、サポーターにとっても「浦和のサッカー」の真価を証明するために、この時期に必要なのは結果だけではない。

「一歩」を進むために必要なピースを手にできるかどうか。

 それこそがこの時期にもっとも期待されるものだった。

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