「本好き」がいま本に求めるものとは。BEST T!MES編集部では本のさらなる可能性をさぐるべく、「本好き」500人にアンケートを行った。その結果をレポートする。

Q.電子か紙の書籍か。どっち派? 

 電子書籍の普及により、紙よりもタブレットの画面で本を読む日常が広がるなど、読書を取り巻く環境が大きく変わりつつある。本好きたちは「本」と「書店」のこれからに何を期待するのだろうか?

※「本好き」の定義は1年間に20冊以上本を読む人

●電子or紙、本好きたちの答えは意外にも…

 日本の電子書籍市場はこの4年間で2.5倍も伸び(インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2016」より)、2015年には週刊誌の売り上げを抜いた。2020年には出版市場全体の5分の1に迫る見込みだという。

 こうしたなかで、年に20冊以上読む本好きたちは、「紙」と「電子」、どちらで本を読んでいるのだろうか。本好きの男女500人を対象に「紙派か、電子書籍派か?」というアンケートを行ったところ、以下のような結果が出た。

 

・「紙派」465人

・「電子派」24人

・「どちらでも」9人

・「不明」2人

 驚いたことに、「紙派」の圧勝! 30代以下では「電子派」もいたものの、対象者に40代以上が多かったこともあり、大半の本好きが紙の本を支持した。では、「紙派」はどのような理由で紙の本を支持するのか。

 多かったのは、「本は単なるソフトやコンテンツではなく、装丁や紙質、インクや活字の種類など、それぞれが固有の物質的価値を持っている」といった本好きならではといえる理由だ。

「新刊なら紙とインクの匂い。図書館や古本屋の本なら、独特のカビ臭い匂い。それも含めての読書だと思います」(60代男性)

「紙に印刷した本は、余白や活字、行の組み方もすべてが作品の一部なのでそのほうが面白い」(40代男性)

 これらの回答には、合理性よりも紙の文化に対する愛着を優先する姿勢がうかがえる。そして、同時に多かったのが「蔵書」に価値を見出す声だ。

「読んだ本を書棚に並べて眺めるのが好きだから」(60代女性)

「ページをめくるという行為も、読書の醍醐味だと思います。また、蔵書を書棚に並べるというのも、自分の大切なアイデンティティーです」(50代男性)

 本好きには、好きな著者の本を二冊購入し、一冊を読書用、もう一冊を愛蔵用にする人もいる。いずれにせよ、紙の匂いやページをめくる手触り、読んだ本を本棚に並べることに「読書の醍醐味」を感じる本好きが多いようだ。

 反対に電子を選ばない理由は何だろうか。

  ダントツで多かったのは「目が疲れる」という理由。これはある程度想像がつくはずだが、意外に目立ったのは「そもそも端末を持っていない」という声だった。今後ハードの普及がもっとすすめば、この結果もまた違ったものになるかもしれない。

 また今回のように「紙圧勝」になったのはアンケートでは「本」の定義として、雑誌・コミックを除いているのも大きいと推察される。実際国内の電子書籍市場の8割をコミックが占めるからだ。これらを包括した調査の結果は追ってまたレポートさせていただきたい。

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