エロエロ草紙って!?

 国立国会図書館には、国立国会図書館法に基づいて国内の出版物が納本される。現代の雑誌や書籍はもちろん、昭和以前の書籍なども保管されており、その一部は「国立国会図書館デジタルコレクション」にて公開中だ。
 このなかには一般図書から雑誌、錦絵や公人の書簡、博士論文に歴史的録音までさまざまなものが公開されている。閲覧は館内のみとなるものもあるが、今回はインターネット公開資料のなかから興味深いものを紹介しよう。

 文豪の作品は現代でも文庫化している作品が多いが、国立国会図書館には発売当時の冊子が残されていることもある。1936(昭和11)年に発表された太宰治の『晩年』は、当時印刷されているものが確認できた。巻末には本人のものと思われるサインも入っている。旧字も使われているので、作品本来の味わいを楽しむことができるだろう。

写真を拡大 ▲『エロエロ草紙』 (C)国立国会図書館蔵

 こうした書物だけでなく、アダルト系の書籍も公開しているのが驚きだ。たとえば、1930(昭和5)年発行の『エロエロ草紙』(酒井潔)には、女性の裸体のほか、接吻と題したさまざまなシチュエーションのキスシーンを紹介するイラスト、さらには女性アスリートの動きからエロスを感じようとする「オリンピック・エロ」なるイラストも公開されている。

写真を拡大 ▲『エロエロ草紙』 (C)国立国会図書館蔵

 1931(昭和6)年発行の『エロ・グロ・表現考』(赤木妖三)の巻頭ページでは、白黒ながら女性のヌード写真を公開。ほかにも、シャンソン歌手として知られた淡谷のり子の写真や、「グロ」として濡れ女の絵も掲載されていた。そのほかのページは風俗や趣味嗜好、建築や犯罪にまで及ぶエロ・グロについての考察が述べられている。

 実用書もあるが、その中でも1925(大正14)年発行の『兎の飼ひ方』(井垣嘉平)という本が気になった。家兎の種類やえさのやり方、繁殖、病気などについて書かれている飼育書なのだが、一見すると何が書いてあるのかわかりにくい。
 なぜなら、前書きや目次は漢字とひらがなで読みやすいのに、肝心の本文はカタカナなのである。その理由を著者は「記述に容易でもあり、また多くの人にとって読解に支障少なからしめんことを慮ったに外ならない」としている。こうしたところにも時代背景を感じられるので、自分の興味関心のある分野以外もチェックしてみるとおもしろい。

 これらはすべて無料で閲覧することができる。インターネット公開資料なら、特別な手続きは不要。外出するのがおっくうになる梅雨の時期、家でのんびりと貴重な書物を検索してみてはいかがだろうか。