2016年大河ドラマ『真田丸』の脚本の三谷幸喜さん。三谷さんの大河ドラマといえば、前回、2004年に『新選組!』。その時代考証を担当した歴史作家である山村竜也さんに、当時の話を聞いてみました。

新選組が当時、壬生浪士という名であったことは、三谷さんが脚本を担当したNHK大河ドラマ『新選組!』まで、映像作品として描いたものはなかったんです。

同作品では、結成当初は屯所の門前に「壬生浪士屯所」という表札を掲げ、隊名が改まるとともに表札も「新選組屯所」に変更しました。視聴者にも、隊名が変わったことがわかりやすく伝わったことでしょう。

この隊名変更は、芹沢鴨を粛清し、隊が近藤勇体制になったのと同時に行われました。ですから芹沢は、新選組という隊名を知らずに、壬生浪士局長のまま死んでいったのです。
その史実を、『新選組!』ではしっかりと描くことができ、時代考証担当者としては満足のいくエピソードになりました。

 

三谷幸喜大河の見せどころは!?

 

ただ同作品の脚本を書かれた三谷幸喜さんは、それだけでは終わらせません。
会津藩からの内示書に書かれた「新選組」という新隊名を、視聴者に見えないように、画面には映さず、近藤が芹沢に見せる場面をつくったのです。

そのときに芹沢役の佐藤浩市さんが「悪くねえな」と渋く一言。

芹沢鴨暗殺の地となった現在の「角屋」

その晩に芹沢は暗殺されてしまっています。つまり史実では、芹沢は新選組という名を知らないことになっているけれど、「こういった形で知ることができたのでは」、というふくみをもたせたシーンにしているのです。

このようにコミカルに見えますが歴史の事実をきっちりおさえた上で、ドラマにおとしていくというのが三谷脚本の特徴ではないでしょうか。
2016年大河ドラマ『真田丸』でも歴史好きの視聴者をうならす、ちょっとした工夫が隠されているかもしれません。