2013年に誕生し、箱根随一の広さを持つ美術館として貴重な美術・工芸品を、常時約450点展示してきた岡田美術館。100%源泉かけ流しの足湯や美しい庭園、昭和初期の日本家屋を改装した飲食施設「開化亭」なども併設され、観光客を楽しませている。

 そんな岡田美術館が現在公開している企画展が「魅惑のガラス ガレ、ドーム展」(7月21日まで開催)だ。名誉館長の岡田和生氏が、蒐集してきた秘蔵のガレ、ドームの全ガラスコレクション約120件を一挙公開するとともに、彼らが憧れ、作風に影響を与えた東洋の絵画や工芸を展示している。

ドーム兄弟「ベニウチワ文花器」1904-10年頃 岡田美術館蔵

 ガレとドーム兄弟は、19世紀末のヨーロッパを席巻したアール・ヌーヴォーを代表するフランス人のガラス工芸家。エミール・ガレは1878年のパリ万博で成功をおさめて以来、2度の万博でグランプリを獲得し、その名を世界に轟かせた。一方のドーム兄弟(兄オーギュスト、弟アントナン)は、ガレの成功に影響を受けながら、数々の万国博覧会に参加し、ガレに匹敵するほど活躍し、彼らのドーム工房は130年以上続く老舗として今なお続いている。

エミール・ガレ「麦穂文花器」1899年 岡田美術館蔵

 本展で最も注目すべき作品が、日本で初めて公開された「麦穂文花器(ばくすいもんかき)」。1899年に「フランスの大統領への献上品」として、フランス女性協会によって特別に注文されたもの。フランスでもカタログ類でしか存在が知られていなかった幻の逸品だ。

ガレ「竜胆文花器 」(展示室)

 もう一つ注目したいのが、斬新な展示方法。通常、美術品などの展示物は上からライトで照らされるが、ガラス工芸品を下からライトアップしている「光の変幻コーナー」だ。作品を下から照らすことにより、色彩のコントラストがより強まり、幻想的な雰囲気を醸し出している。

 
光の変幻コーナー

 世界的にも貴重な作品が展示される「魅惑のガラス ガレ、ドーム展」。次の機会があるかわからない希少な展示会を見に、この夏、箱根に足を運んでみてはいかがだろうか。

[開催概要]
住所    岡田美術館(神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1)
会期    開催中~2017年7月21日(金)まで
休館日   会期中はなし
開館時間  9時~17時(入館は16時30分まで)
入館料   一般・大学生2800円 小中高生1800円
問い合わせ TEL 0460-87-3931(代表)