以前には、経営難に陥ったチームが合併でなくなるなど、かなりシビアなJリーグのチーム運営。現在、厳しい経営状況にあるV・ファーレン長崎の改革を任された髙田明さんは、どのような変化をもたらそうとしているのでしょうか?

――サッカーが根付いてきた日本でJ2チームの経営は簡単ではないことと思うのですが、髙田さんご自身はどのようなイメージを持たれていましたか?

 経営に関しては、大変な船出だと覚悟しております(※編集部注:2017年1月期決算で約1億2千万円の最終赤字を計上する見通しであることが表面化。累積赤字は3億円超に上り、それを受けて髙田氏が新社長に就任した経緯がある)。

 V・ファーレン長崎はこれまで「県民クラブ」でした。それをジャパネットたかたの100%子会社にしたことは、スピード感のある改革が必要だと感じたからです。

 大事なことは、伝えていくことだと思います。日本のスポーツでいえば野球がまだまだ人気ですが、サッカーのファン層をもっと増やしていく必要があると思います。サッカーの面白さを子どもさんに知ってもらい、子どもさんのサッカー人口が増えていけば、お母さんやお父さんが動いてくれます。そうすれば「孫のために」とおじいちゃん、おばあちゃんももっと応援してくれる。簡単なことですが「サッカーは楽しい!」ということをもっと伝えていくことが必要だと考えています。

 わたしは「伝える」ことをずっとやってきた人間ですから、サッカーの持つ素晴らしさを広めていきたいのです。

 サッカーに限らず、スポーツにはみんなそういうものがあると思うんですね。人種、国境を越える、と言われるのはまさしくそういうことなんです。政治とも切り離された、スポーツの理念というものは伝えていかなければいけません。

 長崎ではまだV・ファーレン長崎の応援に行ったことが無い人が多いと感じています。長崎は島も多いですけれど、そういうところにまでもっと浸透させていく必要があります。平塚には湘南ベルマーレがあって、川崎には川崎フロンターレがあって、それは浦和レッズも大宮アルディージャも、ヴィッセル神戸もそうなのですが、地域のルーツがそれぞれあります。長崎のルーツはわれわれが作っていかなければいけない。

 だから伝える、ということが重要なんです。
 長崎県全体で、県民の方が寝ても覚めても気になってしまうクラブを作っていきたいと思います。

明日の第四回の質問は「Q4. 地元・長崎に貢献したい思いはありますか?」です。