銀座「エスキス」のシェフ・パティシエである成田一世が、収穫からサロン・ド・ショコラ出展までチョコレート作りの全行程をレポートする連載です!

原生カカオのある森へ

 

 パプアニューギニアは、オーストラリアの北、インドネシアの東に位置し、大小様々の約600の島々から構成される。成田空港からニューギニア航空を使い南下すること7時間、首都ポートモレスビーに到着する。“意外に近い!”と思われるかもしれないが、ここからが本番 !首都からマヌス島への定期便は週に1往復。すなわち1度行くと1週間は戻れない。小さなプロペラ機に乗ること約1時間半、マヌス島に到着する。

 原生のカカオがある目的地は、マヌス島からさらに船に乗って約3時間の島。船といっても船頭以外に5人ほどしか乗れない小さな船で外洋へ乗り出していく。ひどく揺れるので、船内には海水が入り放題。ライフジャケットとカッパを着ていても、ほとんど意味をなさずびしょ濡れだ。そんなこんなでやっと島に近づいたと思ったら、サンゴ礁の浅瀬のためエンジンが使えず、今度は船頭が竿を使って進む始末。ゆっくりと川の上流に向かい、やっとのことでカカオの森にたどり着く。

 島に到着するまでの長い長い行程を、滞在中の天気や収穫するカカオの生育具合、どのようにすれば発酵がうまく進むかなどを考え、幸運を祈りながら過ごすのだ。今年はどんなカカオに出会えるのだろう。

◎次の第3回は、7月下旬に更新予定です。