故郷の長崎県を拠点に長年活躍されている、ジャパネットたかた創業者の髙田明さん。地方で暮らすこと、地方で働くことの魅力についてお聞きしました。

――長年佐世保を拠点に活動されてきましたが、髙田さんの考える地方の魅力とはどこにあるのでしょうか?

 長崎は自分の生まれたところ、故郷ですからね。生まれ育った平戸、そして佐世保の町はわたしにとって、やはり一番魅力的な場所に映るものです。でも全国には、長崎の町とはまた違った趣の土地がたくさんあるわけで、そこに住んでいる方はきっと、「自分の町が一番いい」とそれぞれに思ってらっしゃるんじゃないでしょうか。

 よく、故郷を離れて暮らしている若い人が、地元の親が一人住まいなのを心配して、「一緒にこちらで暮らさないか」と呼び寄せようとされますよね。自分の息子、娘の住んでいるところに移れば、生活がしやすくなることは分かっている、それでも、行きたがらないお年寄りは結構多いんじゃないでしょうか。どうしてかと言えば、故郷を離れるということは、自分の中にある「灯り」を消すことに等しいからだと思うんです。それだけ故郷というのは、何にも代えられない心の生きがいなんでしょうね。

 昨年、同じ九州の熊本で、大地震がありました。東日本大震災後には、東北宮城の松島町や塩釜市を訪れたり、昨年は熊本市、南阿蘇村などを歩きましたが、どの土地でも故郷のために一生懸命頑張っている人がいっぱいいらっしゃるんです。震災の被害に遭われた方々自身が、本気で復興を目指している。熊本のみなさんの強い気持ちがよく伝わってきて、行く先々でとても感動しました。

 そんな姿を見て、思ったんです。今、「地方創生だ」と言って、地方の魅力を発信しようとする動きが色々と出てきていますが、行政だけが動くのではだめだと思います。地元企業はもちろん、一番重要なのは、その土地に住む人たち自身が動くこと。いくら行政がお金を投下しても、地元の人たちが動かなければ一過性になってしまうからです。行政の力は当然必要ですが、故郷を思う地元の人たちの働きかけがあってこその「地方創生」ではないでしょうか。
 

明日の第九回の質問は、「Q9.地方で仕事をすることについて、どのように考えていますか?」です。