故郷の長崎でジャパネットたかたを創業し、「地元企業」として同社を発展させてきた髙田明さんに、地方で仕事をすることの良さ、必要性などについてお聞きしました。

――地方で生まれ育った若者が、地元を離れて都会で就職するケースは非常に多いと思います。理由としては地方に仕事がないという側面と、「都会志向」の側面があると思いますが、髙田さんご自身は地方で仕事をすることについて、どのように考えてらっしゃいますか?

 どの地方にもそれぞれに魅力はあるものですが、若いときにどうしても都会に憧れてしまう気持ちは、分かります。九州だと、福岡に住みたいという若者は結構いるんですよ。佐世保にいる女の子たちなんかは、よく買い物のために福岡に行ったりするんです。

 佐世保には佐世保の文化があるのですが、福岡にはもっと色んな文化が集まっていて、だからこそ若者の憧れの対象になっているんだと思います。

 ただ、わたし自身には若いころから、「都会志向」が全然なかったんです。もともと都会にはあまり関心がなくて、行きたいと思ったことがないんです。

 ジャパネットたかたは創業以来ずっと佐世保にありますが、これまで何百回と「どうして会社を東京に移さないのか」と言われてきました。その度にわたしは、「なんで移す必要があるんですか」って答えてきたんです。

 今の時代、地方でも十分なほどにインフラが整っていて、通信も発達している。日本のどこにいたって、地球の裏側にあるブラジルのようなところともつながることができます。物流にしても、モノを早く届けるのに必ずしも都会に拠点を置く必要はないんです。

 ですから、仕事をする側ではなく、都会に集中してしまいがちな企業の側の意識が変われば、おもしろいでしょうね。たとえばの話ですが、長崎県にトヨタさんのような大手自動車メーカーの本社がやってきたり。

 既存の地元企業の力も必要だと思いますが、行政が外からもっと企業を誘致してこられれば、地方出身者の働き方も変わってくると思いますよ。各行政、当然企業誘致活動は行っているでしょうから、現状ではとても難しいと思いますが、地方の活性化を考えると、そうやって新しい雇用を生み出さなければならない時代が、近々来るんじゃないでしょうか。
 

明日の第十回の質問は、「Q10.「伝え方」が変わると、結果や成果は変わりますか?」です。